2025年3月10日、厚生労働省「毎月勤労統計調査」より、労働者が受け取った給与総額が前年同月比で2.8%増加したと発表しました。
会社員の場合、お勤めの企業によっては物価高に連動して、給与額が改定されることがあります。
では、老後の収入の柱である年金はどうでしょうか。
物価高などの支出に変動があった場合に連動してくれるようになっているのでしょうか。
本記事では、実際の年金受給額と、2025年の年金額改定について解説していきます。
1. 【厚生年金・国民年金】2025年度は年金が1.9%増額に!
2025年度の年金は、前年度より1.9%増額されたことをご存知でしょうか。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※)
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
「年金が不安」という声が広がる中、この増額に意外性を感じた方もいるかもしれません。
実際のところ、年金額の引き上げは今回で3年連続となっており、新たな支給額は2025年6月分から反映されます。
ここ数年、物価の上昇が顕著であり、その動向を踏まえて年金額も調整される仕組みになっています。
ただし、「マクロ経済スライド」により、物価の上昇ほどには年金は増えない設計となっており、実質的には支給額が目減りしていることに留意が必要です。
では、現在の高齢者が受け取っている年金はどのくらいなのでしょうか。