多くの人にとって、老後の主要な収入源は「公的年金（国民年金・厚生年金）」となりますが、実は毎年度、支給額が見直されています。
厚生労働省は2025年1月24日に、2025年度の年金支給額について最新情報を公開しました。
上記発表によると、2025年度は1.9%の増額改定が行われたものの、物価や生活費の上昇を踏まえると、実質的な目減りが見受けられる状況です。
本記事では、2025年度の「国民年金」と「厚生年金」の支給額例を詳しく紹介します。
ライフコース別の年金額例も掲載しているため、現役世代の方はご自身の収入や年金の加入タイプと照らし合わせながら参考にしてください。
1. 【2025年度】最新の年金額は1.9％の増額へ
厚生労働省が発表した「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の年金支給額は前年と比べて1.9%の増額が行われました。
2025年度の「国民年金」および「厚生年金」の具体的な支給例は以下のとおりです。
- 国民年金（老齢基礎年金）：6万9308円（1人分）
- 厚生年金：23万2784円（夫婦2人分）
国民年金は、保険料を40年間欠かさず納付した場合の「1人分の満額支給額」を基準としています。
一方、厚生年金は「標準的な夫婦2人世帯」の支給額で、国民年金を含む合計金額を示しています。
次章にて、厚生労働省が提示する「標準的な夫婦」の条件について確認していきましょう。
1.1 厚生年金「23万2784円」もらえる標準的な夫婦世帯とは？
前述のとおり、2025年度の厚生年金支給額例「23万2784円」は標準的な夫婦2人分の合計額であり、1人分の支給額ではない点に注意が必要です。
ここでいう「標準的な夫婦」とは、以下の条件に該当するモデルケースを指します。
- 夫婦ともに国民年金を満額受給
- 夫（または妻）が現役時代に平均標準報酬額45万5000円で40年間厚生年金に加入
- 妻（または夫）は厚生年金に加入せず、専業主婦またはフリーランスとして活動
この条件に当てはまる場合、2025年度は夫婦2人で月額「23万2784円」を受け取れるとされています。
なお、「厚生年金額例」はあくまで一つのモデルケースであり、実際に受け取れる金額は個々の加入期間や収入状況によって異なります。
また、国民年金も同様に、2025年度の支給例として示された「満額」の金額は、保険料を40年間欠かさず納付した場合のケースであり、未納期間がある場合は6万9308円よりも低い支給額となります。
したがって、これらの金額は目安として捉え、「あくまで参考程度」に留めることが重要です。
現役世代の方で、ご自身の年金見込額を具体的に把握したい場合は、「ねんきんネット」や誕生月に届く「ねんきん定期便」を活用することをおすすめします。
