物価上昇により、日々の生活が苦しい人も多いでしょう。
そのような人々をさらに苦しめるのが、税金と社会保険料です。特に、厚生年金保険料の負担は大きく、なかには月に約4万円も天引きされている人もいます。
では、この高額な厚生年金保険料の天引きを免れることはできるのでしょうか。本記事では、厚生年金保険を脱退することができるのか解説します。
給与ごとの厚生年金保険料の金額や老後にもらえる年金額の目安についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 厚生年金保険料はいくらかかる?
厚生年金保険料は、給与の金額によって決まります。
4月~6月に受け取った給与の平均額を「標準月額」とし、標準月額によって毎月の厚生年金保険料が決まる仕組みです。なお、標準月額には原則ボーナスを含みません。
令和6年度における、標準月額ごとの厚生年金保険料は以下のとおりです。
1.1 厚生年金保険料(一部抜粋)
- 報酬月額:従業員負担分
- 21~23万円:2万130円
- 23~25万円:2万1960円
- 25~27万円:2万3790円
- 27~29万円:2万5620円
- 29~31万円:2万7450円
- 31~33万円:2万9280円
- 33~35万円:3万1110円
- 35~37万円:3万2940円
- 37~39万5000円:3万4770円
- 39万5000円~42万5000円:3万7515円
- 42万5000円~45万5000円:4万260円
- 45万5000円~48万5000円:4万3005円
- 48万5000円~51万5000円:4万5750円
- 51万5000円~54万5000円:4万8495円
- 54万5000円~57万5000円:5万1240円
- 57万5000円~60万5000円:5万3985円
- 60万5000円~63万5000円:5万6730円
- 63万5000円~:5万9475円
標準月額が22万円の人は、毎月2万130円の厚生年金保険料が給与から天引きされます。また、標準月額が53万円の人が天引きされる厚生年金保険料は4万8495円です。
さらに、標準月額が63万5000円以上の人は月5万9475円もの厚生年金保険料が天引きされます。給与が上がるほど、厚生年金保険料の負担は重くなることがよくわかるでしょう。
ぜひ、自分の給与と照らし合わせて厚生年金保険料を把握してください。
2. 厚生年金保険は脱退できる?
人によっては月5万円を超える負担となる厚生年金保険ですが、脱退はできるのでしょうか。
結論、会社員や公務員として働き続ける限り、厚生年金保険の脱退はできません。また、フルタイムでなくても、以下の条件を満たすパート・アルバイトも厚生年金保険の加入が必要です。
2.1 厚生年金の加入条件(従業員数51人以上の企業)
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8万8000円以上
- 2か月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
そのため、会社に勤めていて上記の条件から外れない限りは、厚生年金保険の脱退は認められません。
どうしても脱退したい場合は、会社を辞めてフリーランスや自営業者として独立するか専業主婦(夫)としてパートナーの扶養に入る必要があります。
ただし、フリーランスや自営業者も国民年金保険の加入が必要となるため、保険料の負担がなくなるわけではありません。令和6年度における、国民年金保険料は月1万6980円となっています。
3. 老後はいくら年金がもらえる?
現役時代に負担が大きい厚生年金保険料ですが、負担額が大きい人ほど高額な年金を受け取れます。
以下の条件で、現役時代の平均年収別にみた年金受給額をシミュレーションしてみましょう。
- 1973年生まれ
- 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
- 65歳から年金受取を開始
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
3.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)
- 平均年収 年金受給額の目安(額面)
- 200万円 月10万7000円
- 300万円 月12万7000円
- 400万円 月14万2000円
- 500万円 月16万2000円
- 600万円 月18万1000円
- 700万円 月19万7000円
- 800万円 月21万3000円
- 900万円 月23万4000円
平均年収200万円の人と900万円の人とでは、受け取る年金に2倍以上もの差があります。そのため、現役時代の重い負担を乗り切れば、老後は多くの年金をもらうことが可能です。
ただし、少子高齢化の影響もあり、将来に向けて年金の支給水準は一定期間減少していきます。
4. 家計を見直そう
本記事で紹介した通り、厚生年金保険の脱退は原則できません。
そのため、厚生年金保険料の負担で家計が苦しい人は、他の支出を見直す必要があります。まずは、アプリのサブスク利用料金や保険料、通信料、新聞代、ジムの会費など見直せる固定費がないかを確認してみてください。
固定費は、一度見直せば継続的に節約が可能です。少しでも家計を楽にしてゆとりのある生活を目指しましょう。
参考資料
苛原 寛