内閣府が2025年2月12日に公表した「日本経済レポート(2024年度)」によると、現役世代については、収入額に関わらず、貯蓄率が緩やかに上昇していることがわかりました。

このように、貯蓄率が上昇している背景には、長生きリスクに備えるための老後資産への不安が影響しているとも言われています。

多くの人が将来に備えて貯蓄を意識するようになっていますが、同じように貯蓄をしているつもりでも、その成果には個人差があるのが現実です。では、貯蓄を上手に増やせる人と、思うように貯められない人の違いはどこにあるのでしょうか?

今回は、元銀行員の筆者がこれまで多くの人と接する中で気づいた貯蓄できる人とできない人の違いについて、ご紹介していきます。

1. 貯蓄額は年収に比例するとは限らない

【写真6枚】貯蓄額と年収の関係は?貯蓄上手なお金の使い方も図解

微笑む男性

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「貯蓄がたくさんある人」と「そうでない人」の違いというと、多くの人が収入の差を思い浮かべるかもしれません。

しかし、貯蓄額は必ずしも収入だけに左右されるわけではありません。

2024年9月に総務省統計局が発表した「家計調査年報(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均年収と貯蓄は以下の通りとなっています。