筆者である私は普段、個人向け資産運用アドバイザーとして従事しておりますが、お客様からのお問い合わせとして多いものが「民間の医療保険って必要ですかね。」というものがあります。
現在の日本では公的保障が充実していますので、必要ないと感じる方も少なくないかもしれません。
今回の記事ではそんな公的保障の中でも【高額医療・高額介護合算療養費】について詳しく見ていきましょう。記事の最後には民間の医療保険についても書いていますのでぜひ最後までご覧ください。
1. 【申請しないと受け取れない】「高額医療・高額介護合算療養費」とは?
高額医療・高額介護合算療養費制度とは、以下の2つが定められた限度額を超えた場合に、負担を軽減できるという制度です。
- 1年間の医療費自己負担額
- 1年間の介護保険自己負担額
1.1 医療費と介護保険の「自己負担合算額」とは?
医療費や介護サービスを利用する際、自己負担額は通常1~3割となっており、これは利用者の所得水準に応じて決まります。
たとえば病院にかかったとき、健康保険が適用されれば、実際に支払う医療費は全体の1割から3割に抑えられます。
介護保険についても同様で、介護サービスを受けた際の費用は、所得に応じて1割から3割が自己負担となります。
とはいえ、たとえ自己負担が一部であっても、頻繁に医療や介護サービスを利用する場合は、出費がかさんで家計への影響が大きくなりがちです。
そうした負担を軽減するために設けられているのが「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。
この制度では、1年間に支払った医療費と介護費の合計が、所得区分に応じた限度額を超えた場合、その超過分が後から払い戻されます。
なお、この限度額は加入している医療保険の種類や所得水準などによって異なります。