総務省が2025年1月24日に公表した消費者物価指数(2024年12月分)によると、総合指数は前年同月比で3.6%上昇しました。
日々の買い物のたびに値上げを実感し、家計のやりくりが厳しくなっていると感じる方も多いのではないでしょうか。
筆者はFP資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして活動していますが、最近のご相談で最も多いのが、新NISAについての内容です。
物価上昇による将来への不安から、「今のうちに資産運用を始めるべきか」「どのように備えるのが良いのか」と悩む方が増えている印象を受けます。
そこで今回は、新NISAを利用した積立投資のシミュレーションや、NISAで資産運用を行う際のポイントについて詳しく解説していきます。
1. 新NISA(少額投資非課税制度)とは?どんなメリットがあるのか
NISA(ニーサ)は、2014年に導入された資産形成を促進するための制度で、2024年には「新NISA」として改定されました。
この制度の最大の利点は、投資によって得た利益に税金がかからない点です。
通常、利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば、その税金が免除され、利益を全額受け取ることができます。
ただし、NISAには投資できる金額や商品に制限があるため、いくつかのポイントを確認しておくことが大切です。
1.1 「新NISA」の特徴を知ろう
「新NISA」の主な特徴は下記のとおりです。
- 非課税保有期間は無期限
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
- 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
- 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
- つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
- 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」
「投資」と聞くと、ある程度のまとまった資金が必要だと思われがちですが、実際には500円や1000円などの少額からでも投資を始められる商品が増えています。
NISAを活用すれば、投資信託や株式なども少額で投資可能です。
次章では、毎月少しずつお金を積み立てていく場合、将来的にどのくらいの資産を築けるか、シミュレーションしてみましょう。
2. 【利回り別に試算】50歳から65歳「毎月5万円」積立投資した場合
本章では、新NISAの積立投資を利用すれば資産をどのくらい築けるのか、下記の前提条件をもとに想定利回り1~5%でシミュレーションをしていきます。
- 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
- 積立額は毎月5万円
- 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品
シミュレーションの結果は次のとおりです。
2.1 【シミュレーション結果】積立投資「毎月5万円」×15年×「年1~5%」
想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)
- 年1%:970万6000円
- 年2%:1048万6000円
- 年3%:1134万9000円
- 年4%:1230万5000円
- 年5%:1336万4000円
15年間、毎月5万円の積立投資を行うことで、1000万円以上の資産を築くことが期待できます。
元本は900万円ですが、運用によって70万~436万円程度の増加が見込まれる可能性があります。
ただし、投資にはリスクが伴います。
ハイリターンが期待できる金融商品は、それだけハイリスクとなり得ることを理解しておくことが重要です。
3. 【積立額別に試算】50歳から65歳までに「2000万円」を作る場合
老後に必要な金額は家庭ごとに異なりますが、仮に2000万円を準備するためには、50歳から65歳までの15年間にどれくらいの金額を毎月積み立てる必要があるかをシミュレーションしてみましょう。
ここでは、利回り3%の投資信託を利用した場合のシミュレーション結果を紹介します。
3.1 【シミュレーション結果】15年間×3%で積立投資
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年3%
シミュレーションの結果、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円を積み立てることで「2000万円以上」の資産を作れることがわかりました。
ただし、9万円という金額は決して「少額」とは言えません。
また、利回りは確実に決まっているわけではないため、予想通りの運用ができなければ、目標額に届かない可能性もあります。
老後のための積立投資は、できるだけ早く始めることが重要です。
20歳代や30歳代から始めることは決して早すぎることではなく、たとえば、3%の利回りで30歳から65歳までの35年間で2000万円を目指す場合、毎月の積立額は「2万6971円」で済みます。
このように、長期間で積み立てることで、月々の積立額を抑えることができるのです。
4. まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。
今回は、新NISAについて詳しく解説しました。資産運用を始める際には、制度や金融商品の仕組みをしっかり理解することが重要です。
新NISAは非課税のメリットがある一方で、運用方針や銘柄選びによってリターンが大きく変わるため、事前の情報収集が欠かせません。
自分自身のライフプランやリスク許容度を検討したうえで、自分に合った資産形成方法を決めることが大切です。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
5.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。




