20世紀の工業化社会では、何でも「ちゃんと、しっかり」するように教育され、そうすれば勉強も就職も上手くいきやすい時代でした。しかし、21世紀に入り情報化社会へとシフトしたこれからの時代は、人間よりも「ちゃんと、しっかり」できるAI(人工知能)に今までの仕事を取られるようになるかもしれません。

今の子どもたちが大人になる頃にどのような職業が生まれるかはまだ分かりませんが、「人間にしかできない」仕事が残り、重宝されることでしょう。人間にしかない強みを伸ばすためには、親世代の「ちゃんと、しっかり」した教育を引きずるより、好きなことを思い切りさせてあげると良いのではないでしょうか。

今回は、好きなことに熱中すると具体的にどのような力がつくのかをご紹介します。

「好きなことにトコトン熱中する力」を伸ばす

人間にしかできないこと、人間独自の強みといえば、「思考力」「感性」「感情」「アイデア」といったものがキーワードとなってきます。

こうした抽象的な部分を伸ばすのは難しいことのように思われますが、そのためには「好きなことにトコトン熱中する」ことが役に立つようです。では、好きなことを思いきりするとどのような力がつくのでしょうか。

集中力が高まる

好きなことに夢中になると、時間が経つのを忘れ、ご飯を食べるのを忘れてしまうこともありますよね。それでも本人は好きでやっているのですから苦になりません。自然と好きなことに時間を費やす集中力がつくでしょう。

自ら調べる力がつく

勉強でも、仕事でも「調べる」ことはとても重要な能力です。調べることで様々な情報や知識を得ることができ、この情報や知識が思考力や想像力の源となります。また、調べることで「面白い、もっとやりたい」という好奇心や興味を高めることもできるでしょう。

好きなことなら「もっと知りたい」と思うものですから、子どもは親や先生に聞いたり、図鑑や絵本を借りてきたり、辞書で調べたりしようとするでしょう。そのときは親も十分に応えてあげましょう。小学生以上ならインターネットで検索し、信憑性の高い情報の選び方を教えてあげるのも良いでしょう。

教科を超えた学びが経験できる

筆者の長男は新幹線が好きですが、新幹線が好きでプラレールを作ったり(図工)、地名を覚えたり(地理)、漢字を覚えたり(国語)、新幹線に関するニュースを見たり(社会)、発車メロディーを好きになったり(音楽)しています。

教科内に留まらず、複数の科目に関連付けた学びが勉強や仕事でもできると良いでしょう。知識が定着しやすくなりますし、アイディアも浮かびやすくなるでしょう。

自ら考え、創意工夫しようとする

好きなことは自ら考え、創意工夫しようとするものです。熱中していると自然と「こうしたらどうだろう」「あんなことやったら面白いな」という想像をし、試すもの。こういった経験が思考力や工夫する力、想像力をアップさせるでしょう。

自主性が身につく

好きなことには、自然と「自分からやろう」という気力が湧くものです。自主的に学んだり、行動する力がつくでしょう。

まとめ

好きなことをトコトンやることは、子どもに無理強いしなくてすみますし、子どもも喜んで自然とハマってくれますよね。好きになることも才能の一つですから、子どもの好きなことをとことん伸ばしてあげてみてはいかがでしょうか。

宮野 茉莉子