2024年11月22日に閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」の中で低所得世帯への支援策が示されていました。
同年の12月17日には国会で補正予算が成立しており、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円の支給、さらに子育て世帯については18歳以下の子ども1人につき2万円が加算されます。
給付金の支給については、既に申請を受け付けているところや振り込みが始まっているところもありますが、自治体によって異なります。
このような給付金の案内はうっかり見過ごしてしまうことも多く、筆者が前職の金融機関で働いていた時も、「役所から何か大事な案内が来てたような気がするけど失くした」という方は意外と少なくありませんでした。
給付金を受け取るための手順や手続きについてしっかり確認しておきましょうと言いたいところですが、この給付金を受け取るためには一定の条件を満たす必要があります。
最近は物価高の影響で生活が厳しいという方も多いですから、この給付金の対象になれると少し助かるという方も多いでしょう。
そこで今回は3万円の給付金を受け取れる住民税非課税世帯について詳しく解説していきたいと思います。ご自身が該当されるか等しっかり確認しておきましょう。
※申請期限や手続き方法などは、自治体によって異なります。LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
1. 《住民税非課税世帯へ》3万円給付金、進捗は自治体によってまちまち
2024年11月22日に開かれた閣議で、政府は、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策の1つとして、住民税非課税世帯を対象に給付金を支給すると決定しました。
コロナ禍以降、政府からの給付金は複数回行われてきました。過去には住民税が課税される世帯への給付もありましたが、この度の経済対策における給付金は「低所得世帯」が対象となります。
1.1 【総合経済対策の低所得支援枠】下記世帯を対象に給付金を支給
- 住民税非課税世帯1世帯あたり3万円
- 住民税非課税世帯で子どもがいる世帯には子1人あたり2万円加算
上記のとおり、住民税非課税世帯を対象に給付金が支給されます。子どもがいれば子1人につき2万円が加算されます。
例)夫婦+小学生の子ども3人の住民税非課税世帯=3万円+(2万円×3人)=9万円を支給
1.2 すでに受給済みの世帯も!給付金の支給状況は自治体により異なる
給付金の支給状況は、お住まいの市町村によって異なります。
給付手続きは各自治体にて行われており、予算補正~給付金支給と、このスケジュールはまちまちです。
また、支給要件や、住民税均等割のみ課税世帯も対象とするか否かなども自治体によって異なりますので、詳細はお住まいの自治体の案内をご確認ください。
2. 「住民税非課税世帯」とはどんな世帯?
今回の3万円給付金の対象となる「住民税非課税世帯」とは、どんな世帯を指すのでしょうか。
住民税非課税世帯とは、文字通り、住民税が非課税となる世帯を指します。
生計を一にする世帯全員の住民税が非課税となる場合に、住民税非課税世帯となります。
住民税は上図のとおり「均等割」と「所得割」の2つで構成されており、「均等割と所得割の両方が非課税」となる世帯と「均等割のみ課税」となる世帯があります。
給付金の支給要件として「均等割のみ課税世帯は含まない」ケースも多々ありますので、留意しておきましょう。
3. 住民税非課税世帯の要件は?
住民税非課税世帯の要件は、自治体ごとに若干異なります。
たとえば、大阪市の場合、以下の条件を満たす世帯が「住民税非課税世帯」に該当します。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
(注)医療扶助、教育扶助など、生活扶助以外の扶助を受けているだけでは非課税にはなりません。
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が、次の算式で求めた額以下である方
①同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
35万円 × (本人 + 同一生計配偶者+扶養親族)の人数+ 21万円 + 10万円
②同一生計配偶者および扶養親族がいない場合
35万円 + 10万円(給与所得者の場合、年収100万円以下である方が該当します。)
なお「所得」と「収入」は異なりますので混同しないよう注意しましょう。
- 収入:支給された総額で各種控除等を差し引く前の金額
- 所得:収入から各種控除を差し引いた後の金額
収入から、給与所得者の場合は給与所得控除、年金受給者の場合は公的年金等控除などを差し引いたものが「所得」となります。
では、住民税非課税世帯となるための年収目安はいくらになるのでしょうか。所得額は控除により個々で異なりますので、「年収」の目安を次章で確認していきます。
3.1 住民税非課税世帯に該当するための「収入(年収)目安」はいくら?
前述のとおり、住民税非課税世帯となる要件はお住まいの市町村により若干異なるため、ここでは大阪市を例に見ていきます。
大阪市の場合、単身者が住民税非課税世帯に該当するには、前年の合計所得が45万円以下である必要があります。
では、所得45万円以下になるためには、収入(年収)としてどのくらいの金額が目安となるのか。
住民税非課税世帯となるための収入(年収)の目安は下記のとおりです。
- 給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下
給与収入と年金収入では、住民税非課税世帯の基準が異なります。
また、年金受給者でも65歳以上と65歳未満で異なっていますね。
では、実際に住民税非課税世帯に該当する世帯はどのくらい存在するのでしょうか。
現役世代とシニア世代とでは基準が異なるため、年代別に「住民税非課税世帯の割合」を確認してみましょう。
4. 【年代別】住民税非課税世帯の割合を確認(2022年と2023年で比較)
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、年代別における住民税非課税世帯の割合は下記のとおりです。
4.1 【住民税非課税世帯の割合】2022年から2023年の割合の変化を確認
- 29歳以下:2022年29.7%→2023年32.7%
- 30~39歳:2022年9.2%→2023年11.9%
- 40~49歳:2022年9.2%→2023年10.0%
- 50~59歳:2022年11.3%→2023年13.5%
- 60~69歳:2022年19.2%→2023年21.6%
- 70~79歳:2022年34.9%→2023年35.8%
- 80歳以上:2022年44.7%→2023年52.5%
- 65歳以上:2022年35.0%→2023年38.1%
- 75歳以上:2022年42.5%→2023年49.0%
どの年代においても住民税非課税世帯の割合が増えていることがわかります。
また、現役世代と比べシニア世代の住民税非課税世帯の割合が高いこともわかります。
5. 住民税非課税世帯を対象とした「5つの優遇措置」もチェック!
今回は、住民税非課税世帯を対象にした給付金について詳しく説明しました。
所得が一定金額以下であれば給付金の対象者となるため、対象者に入る方はお住まいの自治体に給付金を受け取るための手順や必要手続きについてしっかり確認をし、受け取り漏れがないよう注意しておきましょう。
また、住民税非課税世帯を対象にした優遇措置は給付金以外にもあります。
上記のとおり、保険料の負担を抑えるものや、子育てに必要な保育料、教育の機会を妨げない就学支援制度など、さまざまな優遇措置があります。
今は物価高等の影響で生活苦を訴える方も少なくありません。国の支援制度も色々とありはしますが、その存在を知らず受けられる支援を受けておらず生活が苦しいままという方も意外と少なくありません。
何においてもそうですが、「情報を知っているということ」は非常に大事です。どんな情報も逃さずにキャッチするよう常日頃からアンテナを張っておくことを意識しておきましょう。



