ファイナンシャルアドバイザーの筆者は、さまざまなお客様の資産運用についてアドバイスを行ってきました。

資産を蓄えている世帯もあれば、難しい世帯もあり、それぞれに応じた資産形成の方法をアドバイスしております。

貯蓄の目的は人それぞれですが、特に老後資金については「老後資金まではなかなか貯められない」「いったいいくら必要なのかわからない」「物価高をみていると貯めても不安」などと悩まれる方も多いでしょう。

一般的な老後のスタートは65歳から。

つまり、60歳代までに老後資金の目標を立て、毎月コツコツ積み立てることが大切です。

実際に現代シニアで貯金した世帯としていない世帯の割合はどれぐらいでしょうか。

本記事では60歳代の「貯蓄ゼロ」と「貯蓄2000万円以上」の割合について解説していきます。

1. 60歳代・二人以上世帯「貯蓄ゼロ」と「貯蓄2000万円以上」の割合は?

J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)を確認しましょう。

貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

1.1 60歳代・二人以上世帯の貯蓄額

  • 平均:2033万円
  • 中央値:650万円
  • 金融資産非保有:20.5%
  • 100万円未満:6.5%
  • 100~200万円未満: 5.3%
  • 200~300万円未満: 3.7%
  • 300~400万円未満:3.1%
  • 400~500万円未満:3.1%
  • 500~700万円未満:6.3%
  • 700~1000万円未満:5.3%
  • 1000~1500万円未満:8.9%
  • 1500~2000万円未満:5.8%
  • 2000~3000万円未満:8.0%
  • 3000万円以上:20.0%

60歳代・二人以上世帯の貯蓄額は平均は2053万円でしたが、中央値は650万円まで下がりました。

貯蓄ゼロは20.5%と、およそ5世帯のうち1世帯です。

教育費や住宅ローン、車の購入費用といったまとまった金額だけでなく、食費や通信費、学用品、旅行やレジャー費用なども現役時代に払っていると、まとまった貯蓄を貯めるのも簡単ではないでしょう。老後資金の貯蓄が難しいご家庭もあり、早くから対策をしたいところでしょう。

一方で、貯蓄2000万円以上で見ると、28%でした。