野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した調査によると、日本の「富裕層」とされる世帯は全体の約2%を占めているとされています。ここでいう富裕層とは、純金融資産が1億円以上ある世帯を指します。
実は富裕層の世帯数は、過去10年近くにわたって増加しているようです。
その中でも、近年の株式相場の上昇で運用資産が急増したことで富裕層となった「いつの間にか富裕層」という存在が見逃せません。
今回は、元銀行員で全国の個人投資家とコミュニケーションしてきた筆者が見た、富裕層の共通する3つの共通点を紹介します。「いつの間にか富裕層」となる人たちが、どのようにお金と付き合っているかを見ていきましょう。
1. 日本に「富裕層」はどのくらいいるのか
まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。
1.1 純金融資産の計算式
世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。
純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)
この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。