4. 【国民健康保険料の上限引き上げ】高所得者層への影響
上限額引き上げにより高所得者層の国民健康保険料はどの程度アップするのでしょうか。
保険料は都道府県によって異なりますが、モデルケースを使って計算してみましょう。
国民健康保険料は、加入者一律の「均等割」と所得に応じて決まる「所得割」を合計して計算します。
所得割は前年の所得(基礎控除43万円)に保険料率を掛けて計算します。介護保険料も同時に支払うことになるため介護保険料分も含めて計算しましょう。
(モデルケース)
- 45歳以上・単身者で年間所得900万円~1000万円
- 均等割は年間7万3000円、介護保険を含めて保険料率は10.5%で前年と同じ
上記モデルケースの2024年度と2025年度の年間保険料は次の通りです。
【年間所得:2024年度(上限106万円)→2025年度(上限109万円)・保険料の差額】
- 900万円:101万8000円→101万8000円・0円
- 920万円:103万9000円→103万9000円・0円
- 940万円:106万円→106万円・0円
- 960万円:106万円→108万1000円・2万1000円
- 980万円:106万円→109万円・3万円
- 1000万円:106万円→109万円・3万円
年間所得940万円までの人の保険料は前年と変わりませんが、940万円を超えると保険料が徐々にアップします。
980万円(実際には970万円)以上になると昨年より年間3万円も高くなります。
5. まとめにかえて
国民健康保険料の年間上限額は2025年より3万円アップして92万円になります。
介護保険料の上限は17万円で前年と同額であるため、両保険料合計の上限額は109万円です。
その結果、単身世帯では年収1170万円(年間所得970万円)以上の人に上限額が適用されます。
介護保険料を含む保険料(単身世帯)は、年間所得940万円を超えると保険料が徐々にアップし970万円以上の人は昨年より年間3万円も高くなります。
少子高齢化の流れは今後も続く見込みであるため、国民健康保険料や上限額の上昇はこれからも続くものと予想されます。
参考資料
西岡 秀泰