3. 老後に受け取る年金が「低年金」になる理由と対策方法
本章では、将来受け取る年金が「少なくなってしまう理由」と、その「改善方法」について詳しく説明していきます。
3.1 理由1：厚生年金の加入期間が短いから
厚生年金に加入していれば、一般的には国民年金よりも多くの年金を受け取ることができますが、加入期間が短ければ、国民年金に上乗せされる厚生年金の額も少なくなります。
例えば、「1年だけ会社員として厚生年金に加入していた」場合、年金額はほとんど増えません。
さらに、現役時代の年収も年金額に大きく影響を与えます。
高収入の人ほど年金額は多くなりますが、低収入の場合、受け取る年金額が少なくなることがあります。
厚生労働省が提供するデータには、40年間の加入期間を前提とした、収入別のモデル年金が示されています。
※2024年度の水準で示した年金額です
【加入年数を40年とした場合の厚生年金額（国民年金を含む）】
- 現役時の報酬が54万9000円：年金額18万6104円
- 現役時の報酬が43万9000円：年金額16万2483円
- 現役時の報酬が32万9000円：年金額13万8862円
- 現役時の報酬が37万4000円：年金額14万8617円
- 現役時の報酬が30万円：年金額13万2494円
- 現役時の報酬が22万5000円：年金額11万6370円
- 現役時の報酬が14万2000円：年金額9万8484円
現役時の報酬が14万2000円の人と54万9000円の人では、受け取る年金額に倍以上の差が生じることがわかります。
このように、厚生年金では現役時の収入や加入期間が年金額に大きく影響するため、「高い年収を得て、できるだけ長く加入し続けること」が、より高い年金を受け取るための重要なポイントとなります。
