2. シニアの貯蓄格差が起こるのはどうして?
高齢者世帯の貯蓄格差が生じる背景には、現役時代の「収入の格差」が一因として挙げられるでしょう。
十分な収入があれば貯蓄を進めやすいですが、収入が低い世帯では生活費で精一杯となり、なかなか貯蓄に回す余裕がない場合も多いと考えられます。
それ以外でも、ライフプランの有無、家計管理の方法ができているかなども大きく影響するといえます。実際に、将来を見据え計画的な先取貯蓄ができていたかどうかが、貯蓄額に差を生むこともあるはずです。
また、年金生活に入ると、現役時代の6~7割ほどの収入になるため、貯蓄を取り崩して生活する必要が生じます。
その際、家計のダウンサイジングができていれば、貯蓄の減少を少なく抑えることができますが、そうでなければ、みるみる貯えが減ってしまうでしょう。
そう考えると「貯蓄格差」の原因は、現役時代の収入や貯蓄の有無に加え、家計管理能力、生活スタイル、医療費や住居費などの支出状況、さらには予期せぬ出費への対応力など、さまざまな要素が複雑に絡み合っているといえそうです。