高齢者世帯の約6割が「年金だけで生活できない」…シニアの年金暮らし「年金額・生活費・貯蓄額」どのくらい？「厚生年金・国民年金」の平均受給額は《一覧表》で確認

4. 高齢夫婦世帯の平均貯蓄額はいくら？《70歳代の貯蓄》

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和5年）」によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額（金融資産を保有していない世帯を含む）以下のとおりです。

※金融資産保有額には預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。

70歳代・二人以上世帯の貯蓄額円グラフ

出所：J-FREC金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査（2024年）」をもとにLIMO編集部作成

70歳代二人以上世帯の貯蓄額は、「貯蓄ゼロ」と「貯蓄3000万円以上」がそれぞれ約2割を占めています。

平均的な高齢者夫婦世帯の生活費が1ヶ月あたり約4万円の赤字でしたね。もし貯蓄が3000万円あれば、30年間、毎月4万円を取り崩しても1560万円残ります。

家計収支のバランスがとれていて赤字にならないとしても、十分な貯蓄を準備して老後を迎えたいものですね。

年金だけで生活できる世帯は41.7％であり、年金以外の収入を得て暮らす高齢者世帯の方が多いことがわかりました。

2025年4月からは、65歳までの雇用確保が完全義務化となります。70歳までの就業機会の確保も企業の努力義務となりますので、シニア層が働く環境は整いつつあると考えてよいでしょう。

しかし、健康面・体力面において働いて収入を得るのが難しくなる可能性は低くはありません。

こうしたリスクを考慮すると、現役時代に老後資金を確保することが重要であるとわかりますね。

老後に向けた資産形成は、一朝一夕ではできません。長い時間をかけて、コツコツと資産を積み上げていけると良いでしょう。

山本大樹