最近の物価の上昇によって、生活が変わった方が多いのではないでしょうか。

日本銀行が2024年10月10日に発表した「生活意識に関するアンケート調査」によれば、1年前と比べて支出が増えたのは「食料品」が最も多く、次いで「日用品」という結果でした。

逆に1年前と比べて、支出を減らしたものについては、「外食」との回答が最も多く、次いで「衣服、履物類」、「旅行」が多かったようです。

こうしたから趣味・嗜好に充てるお金を減らして生活必需品にお金を使わざるを得ない状況だということが確認できます。

物価の上昇によって生活苦の方が増えている中で、富裕層はある程度ゆとりを持って生活をしています。

では、富裕層はどのようにして資産を築いてきたのでしょうか。

今回は元証券会社勤務の筆者が、富裕層に聞いた資産運用における「分散投資」のポイント3選についてお伝えしていきます。

分散投資はリスクを抑える効果があります。運用を取り入れる上で重要なので参考にしていただけると幸いです。

1. 「富裕層」は日本にどれくらいいるのか

【写真1枚目/全7枚】日本に富裕層はどれくらいいるのか。2枚目/日本の富裕層「世帯数・保有資産規模」をご紹介

【写真1枚目/全7枚】日本に富裕層はどれくらいいるのか。2枚目/日本の富裕層「世帯数・保有資産規模」をご紹介

出所:ImageFlow/Shutterstock.com

まず、はじめに、2023年3月に野村総合研究所(NRI)が発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。

1.1 富裕層の判断基準となる「純金融資産」の計算式について

世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。

純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)

また、この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。

5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。