4. 【参考】国民年金・厚生年金、年間400万円以上の割合は?
参考までに、国民年金、厚生年金の収入のみで「年間400万円以上」を受け取っている方はどれくらいいるのか、確認してみましょう。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
国民年金、厚生年金の平均受給額は、国民年金で5万621円、厚生年金(第1号)では16万721円となっています。つまり年間では400万円に満たないことから、国民年金や厚生年金を受給し、他の収入がない場合などは、確定申告不要制度の対象となる可能性があります。
ちなみに、年間400万円以上となるには、厚生年金のみであれば、月額約33万円を受け取る方です。厚生年金の場合、年金月額が30万円以上に該当する方は1万4292人で全体の約0.09%程度ですから、まれなケースかもしれません。
ただし、公的年金には確定給付企業年金やiDeCoなども含まれます。国民年金・厚生年金以外の公的年金があれば、400万円を超える可能性も考えられます。
5. 「公的年金等の源泉徴収票」で受取額の確認を
本記事では、老齢年金を受給する方に向けて「確定申告不要制度」について、ご紹介しました。
自分が確定申告の対象となるかは、1年間に受け取った公的年金等の額が記載された「公的年金等の源泉徴収票」で確認できます。ハガキで郵送されるほか、マイナポータルやねんきんネットでも確認できるようになっています。
確定申告不要制度の対象となれば、申告は必ずしも必要ではありませんが、申告をすれば税金の還付を受けられる場合もあります。医療費など、忘れているお金の出入りがなかったか、いま一度確認してみましょう。
記事内でもお伝えしましたが、所得の分類や適用される控除に関しては、自分で判断するのが難しい場合もあります。
確定申告が必要かどうかの判断に不安がある場合、また制度の詳細に関しましては、まずはお住まいの地域の税務署などに確認や相談することをおすすめします。