4. まとめにかえて
冒頭でも触れましたが、今国会では年金改革法案が提出され、年金に関する話題に注目が集まっています。
いわゆる年収の壁問題である、厚生年金加入の規模要件を廃止、年収要件も撤廃し、パート社員の厚生年金への加入が拡大することになります。
また、「在職老齢年金制度」を見直し、年金がカットされる基準額を62万円に引き上げる方向で調整が進んでいます。
※在職年金制度・・・65歳以上の方が受け取る賃金と年金(基礎年金は除く)の合計額が50万円(令和6年度)を超えると、年金部分の一定額もしくは全額カットされる
この見直しは労働人口を確保する狙いもありますが、現役世代の負担増加も取り沙汰されており、議論を呼ぶことになりそうです。
すでに2027年9月から厚生保険料を引き上げる方向で調整が進んでいることもあり、今後も国民の社会保険料の負担は増すことが予想されます。世代間に不公平が生じることなく、誰もが安心して年金が受け取れる仕組みになるよう、期待したいものです。
参考資料
日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
厚生労働省「年金制度改正の検討事項」