「年金制度」についてどこまで知っていますか。日頃多くのお客様から「お金」の相談を受けている筆者ですが、やはり「年金」に関する相談は少しずつ増えてきています。
おそらく物価上昇や年金制度への不安感などで「将来資金」を今まで以上に考える機会が増えたからだと思います。
帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年10月」によれば、10月の飲食料品の値上げが3000品目超え。
続く物価高ですが、年金額は2025年度に増額改定となったものの、実質的には目減りとなり、さらに今年も物価高となると年金だけで物価高には対応できません。
みんなも、一体どれくらい年金を受給しているのか、気になる方もいるでしょう。
今回は「年金制度」にフォーカスを当てて、改めて制度の内容から実際の平均受給額まで、様々な角度から解説していきます。この機会に年金を詳しく確認しておきましょう。
1. 公的年金のしくみとは
公的年金制度は「2階建て」になっており、1階部分にあたる「国民年金」の上に、2階部分にあたる「厚生年金」が積み上がっている構造です。
原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのは「国民年金」で、年金保険料(※1)は全員一律です。保険料を全期間(480月)納付すると、65歳以降で満額(※2)を受給できます。もし未納期間があれば、その期間に応じて満額から差し引かれます。
一方、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入するのが「厚生年金」です。収入に応じた年金保険料(※3)を納めます。受給額は、加入期間と在職中の収入に応じて計算されます。基本的には、加入期間が長く、収入が高かった人ほど、将来受け取れる金額は多くなります(ただし上限あり)。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される