4. 増えるシニアのおひとりさま世帯。男性「70~74歳」、女性「85歳以上」が最多
厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の人がいる世帯は2695万1000世帯で、全世帯の49.5%を占めています。
このうち高齢者世帯(※)の構成を見ると「単独世帯(=おひとりさま世帯)」は855万3000世帯(高齢者世帯の51.6%)、「夫婦のみの世帯」は730万3000世帯(同44.1%)となっており、単独世帯の割合がやや上回っています。
特に単独世帯のうち女性が64.4%を占め、男性の35.6%を大きく上回っています。年齢別では、男性は「70~74歳」が27.7%、女性は「85歳以上」が24.9%で最多です。
この男女差の背景には、女性の平均寿命が男性より長いことが大きく影響していると考えられます。配偶者と死別するケースが多い女性は、必然的に単身で老後を迎える割合が高くなるため、今後も単独世帯の増加が続くと予測されます。
また、単身世帯の増加には、未婚率の上昇や結婚に対する価値観の変化、生き方の多様化、さらには長寿社会の進展なども背景として考えられるでしょう。
長生きすることは喜ばしいことですが、その一方で、単身で長い老後を過ごす可能性も高まります。資産寿命と健康寿命をバランスよくのばしていく心構えが求められていると言えそうです。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯
5. まとめにかえて(FPからのアドバイス)
「親の老後資金、本当に大丈夫?」 そう思ったことはありませんか?
本記事では70代の貯蓄・年金事情について解説してきましたが、たとえ平均的な年金を受給し、貯蓄があったとしても、物価上昇が続けば生活はどんどん厳しくなる可能性があります。
では、あなたの親はどうでしょうか?
お金の話は親子でもなかなかしづらいもの。でも、親の資産状況を知ることは、将来的な相続税対策にもつながります。
「どんな備えが必要か?」を知ることが、親世代にとっても自分たちにとっても、大きな安心につながるでしょう。