2. 【最新の年金】2025年度もマクロ経済スライドによる調整が発動
年金額は毎年度改定されますが、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて改定する仕組みです。
現役世代の賃金の水準や、物価変動率を考慮して年金額も調整されるということです。
2025年度の年金額改定時に用いた物価変動率は2.7％、名目手取り賃金変動率は2.3％となりました。またマクロ経済スライド※による調整も▲0.4％働き、今回の改定となったのです。
※公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもの
名目賃金変動率が2.3％であるにも関わらず、2025年度の年金額の改定率は、1.9％になるということです。
つまり、物価や賃金の上昇ほどには年金額が引き上がらず、シニア世代にとっては年金が「実質目減り」ということになります。
一方で、マクロ経済スライドによる調整は、将来の年金の給付水準を確保することにつながるため、物価上昇に年金の増加が伴わないのも、仕方のない側面があります。
では、現代シニアのリアルな受給額はいくらほどなのでしょうか。次章では最新資料である「令和5年度末時点」での受給額平均を紹介します。
