年金の受給開始年齢は基本的に65歳以上であるため、65歳までに「老後生活の準備を整えたい」と考えている方も多いでしょう。
老後に向けて準備しておくべきこととして、「家計収支のシミュレーション」「年金の受給見込み額の確認」「老後資金の準備」などが挙げられます。
これらを現役時に行うためには、65歳以上の年金世帯の平均的な家計・貯蓄状況を把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、65歳以上・無職二人以上(夫婦)世帯の平均的な生活費や年金、貯蓄額などについて詳しく紹介します。
1. 【65歳以上無職夫婦】ひと月にかかる生活費はいくら?
まずは、年金暮らしである「65歳以上・無職夫婦世帯」のひと月にかかる生活費を確認していきましょう。
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯のひと月にかかる生活費は「25万959円」でした。
- 実収入:24万4580円
- 可処分所得(手取り収入):21万3042円
- 消費支出:25万959円
- 毎月の赤字額:3万7916円
実際の収入は24万4580円ですが、税金や社会保険料などを差し引いた後の手取り(可処分所得)は21万3042円となります。
一方で、食費や住居費を含む日常的な支出は月額25万959円に達し、毎月約4万円の赤字が発生しています。
これはあくまで一般的な収支に基づく赤字額の予測ですが、厚生労働省の「2023年 国民生活基礎調査の概況」によれば、年金だけで生活費を完全に賄えている世帯は全体の41.7%にとどまっています。
つまり、半数以上のシニア世帯が年金だけでは生活が成り立たず、赤字を抱えているのが現実です。
このような状況を考えると、「老後に年金だけでは生活が厳しい」という問題は他人事ではないことがわかります。
では、現在のシニア世代はどれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。