2025年2月21日に総務省が発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)1月分」によると、物価上昇の総合指数は前年同月比4.0%となりました。

1年間で4.0%の物価上昇。家計へのダメージは甚大です。

とくに現役を引退し公的年金を主な収入源として生活するシニア世帯は、貯金を取り崩して生活費を補填しなければいけないシーンが増えているのではないでしょうか。

本記事では現シニア世代のお金に関する現状について見ていきます。現役世代の人は老後までにいくらくらい貯めれば安心か考えていきましょう。

1. 70歳代で「貯蓄3000万円以上」を保有する二人以上世帯はどのくらいいる?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、70歳代の二人以上世帯のうち、貯蓄が3000万円以上の世帯は約2割、つまりおおよそ5世帯に1世帯程度に留まっています。

このことから、70歳代で3000万円以上の貯蓄を持つことは難しいという現実が浮き彫りになっています。

1.1 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円の割合は?

  • 19.7%

1.2 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄額(平均と中央値)は?

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

70歳代の貯蓄額の平均は1757万円であるのに対し、より実態に近い値である中央値は700万円にまで下がります。

このことから、70歳代の世帯における貯蓄額にはかなりの差があることが明らかです。

では、老後の主な収入源となる公的年金の受給額は、どのくらいが一般的なのでしょうか。