2025年1月17日、日本銀行は「「生活意識に関するアンケート調査」(第100回<2024年12月調査>)の結果」を公表しました。

この調査結果によると、1年前と比べて現在の物価が「上がった」と回答した方の数は回答者全体の9割を超えています。

老後の生活の不安を解消するために老後資金の準備をしたいところですが、どのように老後資金を準備したらいいか悩んでいるという方は意外と多いのではないでしょうか。

そこで今回は新NISAで積立投資した場合のシミュレーションや、資産運用に関するポイントについて述べながら、老後資金をどう準備するかについて考えていきたいと思います。

1. 「新NISA(少額投資非課税制度)」とは?メリットをおさらい

NISA(ニーサ)は、2014年に導入され、資産形成を支援する制度として注目を集めてきました。

NISAの主な利点は、運用で得た利益が非課税になる点です。

通常、投資で得た利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用することでこれらの利益に税金がかからず、そのまま受け取ることができるのです。

なお、2024年にはその仕組みが改良され、「新NISA」としてスタートしています。

ただし、NISAには投資できる金額や対象商品に制限があるため、利用する際はその特徴を把握しておくことが重要です。

【写真全5枚中1枚目】新NISA「非課税」のしくみ、2枚目以降で、新NISAの特徴や、積立投資シミュレーション結果を見る!1/5

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

1.1 「新NISA」の大きな特徴6つ

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/5

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用OK
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」と聞くと、まとまった資金が必要だと感じる方も多いかもしれません。

しかし、500円や1000円といった少額から始められる投資商品が増えており、NISAでも少額から投資信託や株式への投資が可能です。

少しずつ積み立てていく形で投資を行った場合、どの程度の資産を形成できるのでしょうか。

2. 【利回り別】50歳から65歳「毎月5万円」を積立投資した場合は?

本章では、新NISAの積立投資で資産をどのくらい築けるのか、以下の前提条件をもとに想定利回り1~5%で期待値をシミュレーションしていきます。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

シミュレーション結果は、以下の通りです。

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/5

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.1 積立投資「毎月5万円」×15年×「年1~5%」で試算

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間、毎月5万円の積立投資を行った場合、1000万円以上の資産を築ける可能性があります。

元本900万円に対して、運用次第で70万~436万円ほどの資産増加が期待できるのです。

しかし、投資にはリスクが伴い、例えば5%のリターンを期待する場合、同じく5%程度の損失を被るリスクがあることを理解しておく必要があります。

3. 【積立額別】50歳から65歳までに「2000万円」作りたい場合は?

老後資金として2000万円を準備するために、50歳から65歳までの15年間で毎月いくら積み立てる必要があるのかをシミュレーションしてみます。

ここでは、想定利回り3%の投資信託に投資した場合の結果を見ていきます。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 毎月の積立金額×15年間×3%で試算

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

シミュレーションによると、3%の利回りで15年間運用した場合、毎月9万円の積立投資で2000万円を超える資産を築くことが可能です。

しかし、毎月9万円という金額は決して少額ではなく、また利回りが予測通りでない可能性もあるため、目標額に届かない場合もあることを理解しておく必要があります。

老後資金を積み立てる際には、早い段階から始めることが鍵です。

例えば、30歳から65歳までの35年間で2000万円を目指す場合、同じく3%の利回りを見込んだシミュレーションでは、毎月の積立額は「2万6971円」となります。

上記をふまえ、時間をかけることで、月々の積立額を抑えることが可能となるため、早期から資産運用を活用することを検討すると良いでしょう。

4. まとめにかえて

今回は、「新NISA」の特徴や新NISAで積立投資をした場合の資産のシミュレーションについて解説しました。

シミュレーションでもあったように、積立金額は同じでも期待できる利回りが高ければ資産を大きく増やす期待ができます。

また、運用期間に関しても、長期で運用するほど資産を大きく増やす期待ができます。

しかし、ここで注意したいことが2点あります。1点目は、「運用商品を利回りだけ見て決めない」ということです。

高い利回りが期待できるということはその分リスクも高くなります。

そのため、利回りの高さだけで商品を選ぶのではなく、自分のリスク許容度に合っているか?という点についても気にかけて運用商品を選びましょう。

続いて2点目は、「長期で運用できる環境を整えておく」という点です。資産運用は長期でおこなうことが大前提ですが、そのために「運用を続けられる環境づくり」は欠かせません。

資産運用を始める際は、ケガや病気で働けなくなった場合なども想定して、「長期で運用を続けられるための環境づくり」にも目を配るようにしておくと安心して資産運用を始められるでしょう。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ5/5

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料