老後に受け取れる年金ですが、自分が将来どのくらいの年金を受給できるのか、把握しているでしょうか。 ねんきん定期便や「ねんきんネット」を利用すれば、簡単に確認することができます。  

近年、物価上昇や円安といった経済環境の変化により、日々の生活に影響を受けることが増えています。この影響は、すでに年金を受給しているシニア世帯にも及んでいます。  

では、実際に年金受給世帯はどのくらいの年金を受け取り、どのような生活を送っているのでしょうか。 中には、年金だけでは生活が厳しい世帯もあり、そういった人を対象に「年金生活者支援給付金」という制度が用意されていますが、果たしてどの程度の助けになっているのでしょうか。  

本記事では、日本の年金制度について改めて整理しながら、老後に向けた準備や「年金生活者支援給付金」の仕組みについて詳しく見ていきます。

1. 公的年金は「国民年金・厚生年金」の2階建て

公的年金は「国民年金・厚生年金」の2階建て

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

日本の公的年金は「2階建てのしくみ」などと表現されることがありますね。

1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金制度のベース部分で、「基礎年金」とも呼ばれます。2階部分の「厚生年金」は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する制度です。

老後には、国民年金のみに加入していた人は「老齢基礎年金」を受け取ることになります(※)。一方、厚生年金に加入していた人は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の両方を受給します。

次では、いまのシニア世代の年金事情に触れていきます。平均年金月額や個人差・男女差に着目してください。

※受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などの合算)が10年以上ある場合、原則65歳から受給可能となります。