筆者は日々、ファイナンシャルアドバイザーとして資産形成のアドバイスをしております。資産形成を考え始めたきっかけは、漠然と将来が不安だからという方が多い印象です。
目標金額によって、資産形成の選択肢も変わってきます。まずはご自身の年金受給額の目安を知り、老後いくらあったら安心できそうかを考えることが大切です。
今回の記事では、60歳代以降の年代別に年金の平均月額を見ていきますので、老後のイメージを掴んでいただければと思います。
1. 国民年金と厚生年金とは？仕組みと特徴を解説！
公的年金は、私たちの暮らしとは切り離せない大切なものですが、その仕組みは結構複雑です。「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度の仕組みをおさらいしておきましょう。
1階部分に当たるのが国民年金（基礎年金）、2階部分に当たるの厚生年金です。それぞれの特徴を整理していきます。
1.1 国民年金（1階部分：基礎年金）
国民年金は、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人に加入義務があります。
年金保険料は年度ごとに見直しがおこなわれ、2024年度は1万6980円、2025年度は1万7510円です（いずれも月額）。毎年見直されます。
老後の年金額は保険料納付済月数に応じて決まります。全期間（480カ月）納付した場合に受給できる老齢基礎年金の満額は、2024年度は6万8000円、2025年度は6万9308円です。
1.2 厚生年金（2階部分）
厚生年金の加入対象は、会社員や公務員、一定の要件を満たすパート・アルバイトの人などです。国民年金に上乗せして加入し、老後は国民年金と厚生年金の併給となります。
厚生年金保険料は、給与や賞与に応じた金額を納め、基本的には「多く稼ぎ、長く働いた人ほど、老後の年金額が増える」仕組みです。ただし年金額には上限が設けられています。
なお公的年金の年金額は、物価や現役世代の賃金などを考慮して年度ごとに見直しがおこなわれます。
次では去る1月、厚生労働省が公表した令和7年（2025年）度の年金額について見ていきましょう。
