2.2 受給額下位の都道府県

老齢基礎年金の受給額を都道府県別に比較すると、下位10位以内は次の通りです。

下位10都道府県

下位10都道府県

出所:厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

  • 沖縄県:5万2837円
  • 青森県:5万5369円
  • 大阪府:5万5463円
  • 和歌山県:5万6067円
  • 高知県:5万6268円
  • 京都府:5万6525円
  • 東京都:5万6584円
  • 福岡県:5万6622円
  • 大分県:5万6685円
  • 北海道:5万6723円

老齢厚生年金とは異なり、下位10位以内には東京や大阪、京都、福岡などの都市圏の都道府県が入っています。

一方、厚生年金の受給額で下位1位と2位の青森県や沖縄県は、老齢基礎年金の受給額でも低位です。

2.3 受給額の差は8383円

受給額の最も多い富山県(6万1220円)と最も少ない沖縄県(5万2837円)を比較すると、その差は月額で8383円です。

厚生年金と比較した場合、受給額の差は少なめです。

ただし、老齢基礎年金だけで生活するのは、受給額の最も多い富山県でも難しいでしょう。公的年金以外の資金準備が必要です。

3. まとめにかえて

全国平均の年金月額は老齢厚生年金受給者は14万7360円、老齢基礎年金受給者は5万7700円ですが、都道府県別に見ると大きく異なります。

老齢厚生年金の受給額は、大企業の多い都市圏の都道府県が上位になる一方、下位には地方の県が入ります。

一方、老齢基礎年金については都市圏優位とは言えない状況です。居住地の平均受給額を確認して、老後の生活設計を立てるときの参考にしてください。

参考資料

西岡 秀泰