3. 「年金月15万円」の人から引かれる国民健康保険料と介護保険料を試算

東京都新宿区に住む人を例に、年金月額15万円の単身世帯の人から引かれる国民健康保険料と介護保険料を試算してみましょう。

《試算》年金月額15万円・単身世帯:国民健康保険料&介護保険料はいくら?

《試算》年金月額15万円・単身世帯:国民健康保険料&介護保険料はいくら?

出所:新宿区「保険料の計算方法について」、新宿区「介護保険料の決まり方」をもとに筆者作成

国民健康保険料

  • 医療分:4万9100円+(180万円-110万円-43万円)×8.69%=7万2563円
    支援金分:1万6500円+(180万円-110万円-43万円)×2.80%=2万4060円
    合計:9万6623円

介護保険料

  • 基準額6600円×1.1×12=8万7120円

差し引かれるお金の合計(年額)

  • 18万3743円

差し引かれるお金の合計(月額)

  • 1万5311円

残額(年額)

  • 161万6257円

残額(月額)

  • 13万4689円

国民健康保険料は月額8051円、介護保険料は月額7260円が年金から差し引かれます。年金は2ヶ月に1回支給されるため、実際には国民健康保険料1万6102円、介護保険料1万4520円で、合計3万622円の社会保険料が引かれるのです。

年間に換算すると、18万円超の金額が差し引かれています。実際にはここから所得税や住民税が引かれるため、手取り年金額はさらに少なくなります。

社会保険料の負担は、老後生活に入っても大きいものだといえるでしょう。

4. まとめ

年金受給額がいくらだろうと、社会保険料は負担しなければなりません。医療給付や介護サービスの財源となるお金ですが、負担は年々増えてきています。

年金世帯でも月に1万円以上の保険料負担となっていますから、現役世代の負担はさらに大きいものだといえます。医療費や介護保険の財政状況は、早急に見直す必要があるでしょう。

参考資料

石上 ユウキ