3.2 厚生年金の場合
- 全体:平均年金月額14万3973円
- 男性:平均年金月額16万3875円
- 女性:平均年金月額10万4878円
厚生年金の平均年金月額は14万3973円でした。2階部分に該当し、収入に応じて企業などと折半で保険料を納めるため、国民年金と比較して平均月額が高い傾向にあります。
また、男女差で約6万円ほどの金額差があるのも特徴です。男女で受給金額に差があるのは、過去に女性が家族的責任を担っていることが多かったことが1つの要因といわれています。
なお、現行の年金制度では育児休業制度を利用する方を対象に配慮措置が実施されているうえ、短時間労働に対する年金制度の配慮措置も検討されています。
国民年金のように男女間で金額の開きが少なくなるよう、制度の見直しが今後も引き続き求められるでしょう。
4. まとめにかえて
厚生年金受給者のなかには、年間240万円以上の年金を得ている方が約16.7%いました。一方で国民年金と厚生年金の平均月額を調査した結果、年間240万円に満たない方が多数存在することも確認できたと思います。
今後は少子高齢化に伴う年金額の減少が可能性として考えられるため、現役世代のうちから老後対策をしっかり行うことが大切です。
転職や資格取得などを実施して収入アップに努めたうえで、コツコツと資産運用することも検討してみてください。
具体的に何をすればよいのかわからない場合は、お金の専門家に相談するのも選択肢のひとつです。
参考資料
- 厚生労働省「被用者保険の適用拡大及び第3号被保険者制度を念頭に置いたいわゆる「年収の壁」への対応について②」
- 厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」
- 厚生労働省「国民年金と厚生年金の仕組み」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「II 女性と年金問題とは?」
- 日本年金機構「国民年金の保険料はいくらですか。」
湯田 浩平