3.2 年金受給額について
年金受給額について、今回は日本年金機構による標準的な金額で算出をしましたが、年金受給額は現役時代の働き方や報酬額により大きく異なります。
配偶者の働き方などによっても、世帯全体の受給額が変わってきます。
そのため、自身の老後の収支を試算する際は、日本年金機構のホームページによる試算ツールや、ねんきん定期便でおおよその年金受給額を算出してみることをお勧めします。
3.3 月の支出額について
月々の支出額についても、調査による平均的な数値で算出をしましたが、生活のどこに重点を置いて支出が重くなっているのかなどは家庭により大きく異なります。
そして、65歳以前の生活を老後に大きく変化させることは難しい部分もあります。
そのため、現在の自分がどのくらいの生活費を使っているのかを認識し、その支出で老後を暮らすことを想定して試算をすることが重要です。現在の生活費を改めて見直すことで、不要な支出を洗い出すことにも繋がります。
4. まとめにかえて
65歳以上の無職夫婦にとって、老後の生活を年金だけで暮らせるかどうかは、老後の生活設計において重要な問題です。
65歳以降を働かずに年金収入だけで生活をしようと考えた場合には、それまでに月々の収支を計算して不足する部分を貯蓄しておく必要があります。
なるべく早いうちから、老後の計画を立てて目標金額を設定して、そこに向かってどのように資産を作っていくかを検討していくことが大切です。
勤労だけではなく投資なども活用することにより、効率的に資産形成をすることも可能です。自身の老後の生活について、ぜひ時間を作って考えてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」2023年(令和5年)平均結果の概要」
斎藤 彩菜