大麻合法化の動きは北米のみならず、世界的な潮流となっているようです。

国連の世界保健機構(WHO)は6月、83年ぶりに大麻の安全性を再検討し、大麻には有効性があり、比較的安全と報告しているからです。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、母国ポルトガルで首相を務めていた2001年に大麻を事実上合法化し、その功績が高く評価されています。

当時のポルトガルは薬物中毒者の増加に悩まされていましたが、薬物を非犯罪化することでその取り締まりに充てていた予算を薬物依存者の更生や社会復帰のための財源に転用。この政策が功を奏し、薬物依存者が50%減少したそうです。

こうした成功体験もあって、国連主導で大麻の安全性を証明し、合法化する流れができつつあるようです。大麻の禁止は国際的な薬物条約の下で実施されていますが、こうした枠組みが根底から覆され、大麻への規制が見直される可能性があるのかもしれません。

大麻関連ビジネスにはティール氏も投資

大麻を医薬品として用いた場合の効果とリスクについては、依然として論争が続いています。とはいえ、大麻には有効な薬効成分があることが広く認識されるようになっており、そのリスクもタバコは言うに及ばず、アルコールやコーヒーよりも格段に低いとの指摘もあるようです。

カナダに続き、米国でも大麻の合法化は時間の問題との声が増えており、大麻の有効性には国連からもお墨付きが出ていますので、大麻関連ビジネスの世界的な急拡大を期待する声も高まっています。

ここ最近の大麻ETFへの資金流入にはこうした動きを見越した青田買いもあるのかもしれません。ちなみに、大麻関連ビジネスにはペイパルの共同当業者、ピーター・ティール氏も投資していることが知られています。

大麻に投資するなんて狂気の沙汰のように思えるかもしれませんが、善悪の判断はともかくとして、大麻ビジネスに巨額の資金が流れ込んでいることは事実ですので、世の中の動きとして知っておいても損はないでしょう。

LIMO編集部