筆者はFPとして勤務しています。最近、年金受給世帯のお客様から「年金だけでは生活が厳しく、将来が不安」といったご相談をいただくことが増えています。

実際に物価上昇の影響で生活が苦しくなる方が増えており、政府は「年金生活者支援給付金」という制度で支援を行っています。該当する方は、忘れずに申請しましょう。

また、年金だけに頼らず、安心して老後を迎えるために、どのように資産を準備すればよいのかについても解説していきます。

1. 年金生活者支援給付金「2025年度は2.7%の引き上げ」

公的年金は物価や現役世代の賃金を踏まえ、年度ごとに見直しがおこなわれます。2025年1月24日には、厚生労働省から2025年(令和7年)度の公的年金の年金額が公表されました。

これによると国民年金(老齢基礎年金)の1人分の満額(※)は前年度の6万8000円から1.9%引き上げられ、6万9308円となりました。

同時に公表された「年金生活者支援給付金」は、2024年の物価変動率に基づき2.7%の引き上げとなっています。

次ではこの「年金生活者支援給付金」の基本を整理していきます。

※1956年4月1日以前生まれの方については月額 6万9108 円(対前年度比+1300 円)