一正蒲鉾、通期は増収減益 今後は販売戦略や生産性向上で利益増加を目指す

2018年8月28日に日本証券アナリスト協会で開催された、一正蒲鉾株式会社2018年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:一正蒲鉾株式会社 代表取締役社長 野崎正博 氏

2018年6月期サマリー

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野崎正博氏(以下、野崎):本日はご多用のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。一正蒲鉾株式会社、代表取締役社長の野崎でございます。

当社の2018年6月期の決算概要ならびに中期経営計画についてご説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

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はじめに、2018年6月期のサマリーをご説明いたします。

2018年6月期は売上高350億円、前期比0.7パーセントの増加。営業利益約10億円、前期比23.5パーセントの減少。経常利益約10億円、前期比31.1パーセントの減少です。詳細は各セグメント別連結業績の項目にてご説明いたします。

水産練製品・惣菜事業では、「うなる美味しさ うな次郎」や「サラダフィッシュ」などで新しいカテゴリーが堅調に推移いたしました。

きのこ事業では、(2017年)10月以降の不安定な天候による野菜の相場高の影響を受け、きのこの価格は堅調に推移する中で、安定生産、品質向上に努めてまいりました。

それでは目次のとおり、各項目の詳細をご説明いたします。

会社概要① 沿革・拠点

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まずは、会社概要についてご説明します。

当社の事業は、水産練製品の製造販売及びきのこの生産販売です。設立は1965年で、2015年1月に創業50周年を迎えました。水産練製品業界の企業としては唯一、2014年から東証一部銘柄に指定されています。その他沿革は、ご覧のとおりでございます。

国内における製造拠点は、新潟県内に4ヶ所、北海道、滋賀県にそれぞれ1ヶ所、支店は全国主要消費地に9ヶ所、きのこは新潟県内1ヶ所で生産しております。

海外においては、中国に一正農業科技(常州)有限公司(を有しており)、出資100パーセントの連結子会社であります。こちらでは中国市場向けのまいたけの生産販売を行っております。

またインドネシアのPT.KML ICHIMASA FOODSについてです。水産加工販売会社のケロラ・ウサハ・マクムール社との間に設立した持分法適用の合弁会社でございます。カニカマを製造し、インドネシアの国内販売及びインドネシアからの輸出を行っております。

会社概要② 事業領域

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2018年6月期売上高は、350億円のうち水産練製品・惣菜事業は301億円で、売上高全体の

主に魚のすり身を原料とした水産加工食品の製造販売事業を展開しており、カニカマ、さつま揚げ、ちくわなどの代表的な水産練製品のほか、調理済みおでんや惣菜を取り扱っております。

きのこ事業は43億円で、売上高全体の約13パーセントを占める事業でございます。こちらはまいたけの生産販売を行っております。詳細はセグメント別連結業績にて説明いたします。

その他として、運送・倉庫事業は5億円の売上高となっております。約86パーセントを占める事業です。

主に魚のすり身を原料とした水産加工食品の製造販売事業を展開しており、カニカマ、さつま揚げ、ちくわなどの代表的な水産練製品のほか、調理済みおでんや惣菜を取り扱っております。

きのこ事業は43億円で、売上高全体の約13パーセントを占める事業でございます。こちらはまいたけの生産販売を行っております。詳細はセグメント別連結業績にて説明いたします。

その他として、運送・倉庫事業は5億円の売上高となっております。

事業紹介① 水産練製品市場

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直近、数年の水産練製品の生産量は、棒グラフで表すとおり若干のダウントレンドとなっております。1974年の104万トンをピークに、2017年は約44万トンで、前年比97.6パーセントとなっております。

当社のシェアにつきましては、折れ線グラフで表すとおり徐々に拡大しています。水産練製品の販売額から試算すると、現在のシェアは約10.5パーセント。水産練製品業界におきましては、第2位となっております。

事業紹介① すり身価格・為替推移

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水産練製品の原料であるすり身の相場推移はご覧のとおりでございます。

輸入原料価格は、2017年6月期よりも上昇しております。すり身全体の供給としては、国内で2016年度比6パーセント減で、全世界では同程度で推移しました。

価格上昇の要因として、海外の強い需要動向が挙げられます。また、為替が前期比より円安基調で推移したことや、国内の需給バランスがタイトであったことなども要因です。

国内原料価格につきましては、漁獲量の減少で販売は依然として高値で推移をし、競合となる米国産すり身の価格に連動して、輸入原料価格と同様に上昇いたしました。

事業紹介② きのこ市場

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続いて、きのこ市場の環境についてご説明いたします。

きのこ類の国内生産量は約45万トン。1985年と比較して生産量は約2倍に増加し、ぶなしめじ、まいたけ、エリンギが大手企業の参入により増加。トータルでは、直近数年は横ばいとなっております。

2016年のまいたけの生産量は、きのこ類の生産量のうち約1割を占める約4万9,000トンでした。当社のシェアについては、林野庁発表の生産量から試算すると、約14.2パーセント。業界第3位であります。

事業紹介② きのこ市場相場価格推移

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東京都中央卸売市場のきのこ相場推移は、ご覧のとおりです。赤線で示したまいたけの価格相場は、まいたけ以外のきのこ類と比較して堅調に推移しております。

相場需給見込みですが、健康的なイメージがあり、少子高齢化が進む中で堅調に推移していくと予想しています。とくにここ数年、まいたけの健康機能性がメディアで取り上げられ、需要が増加しています。

連結業績

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それでは、2018年6月期の連結業績をご説明いたします。

2018年6月期の連結業績は、売上高350億円、前期比0.7パーセントの増加。営業利益10億円、前期比23.5パーセントの減少。経常利益10億円、前期比31.1パーセントの減少。当期純利益5億円、前期比34.1パーセントの減少となりました。

営業利益の増減分析

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営業利益の増減分析ですが、売上面では、新カテゴリ商品の売上増加およびきのこ事業の増収により、1億円の増益です。また、すり身等の原材料価格の上昇により、(原材料費は)1億2,000万円の減益。

労務費は増加し、2億円の減益。エネルギーコストは増加、1億4,000万円の減益です。また減価償却費は減少により、6,000万円の増益。広告宣伝や販売促進費は増加し、1億円の減益です。

その他、主に生産合理化などのコストダウンにより、1億円増益で、2018年6月期の営業利益は10億円となりました。

財務状況

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続いて、財務状況です。

流動資産は73億円、前期比9億円の増加。固定資産は169億円、前期比1億円の減少。純資産は109億円、前期比6億円の増加。総資産は243億円、前期比8億円の増加となりました。変動要因は、流動資産において、(2018年)6月末日が休日だったことにより売掛金が増加いたしました。

自己資本比率では、利益剰余金が増加したことにより44.8パーセントで、1.1ポイントの改善ができました。ROEは減益により5.3パーセントとなり、3.2ポイントの悪化でした。D/Eレシオは、先ほど申し上げましたが、6月末日が休日だったことで売掛金が増加し、有利子負債が83億円となり3億円増加した一方で、純資産が8億円増加したため、0.8倍で、前年と同じでした。

セグメント別連結業績 -水産練製品・惣菜事業-

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次に、各セグメントの業績についてご説明いたします。

水産練製品・惣菜事業の連結業績は、売上高301億円で、前期並みです。営業利益は5億円、前期比49.4パーセントの減少となりました。

「うなる美味しさ うな次郎」や「サラダフィッシュ」がテレビや新聞などのメディアに取り上げられて話題になり、「サラダスティック 瀬戸内レモン風味」はSNSを中心に商品の認知が広がったことから、売上に寄与いたしました。一方で、(2018年)2月以降の気温の上昇により、おでん商材は低迷いたしました。

営業利益は、すり身の価格上昇により、原材料費が増加。また労働力不足による人件費の増加、エネルギーコストの増加が主な要因となり、減少いたしました。

2018年6月期は、基幹商品拡販のためリニューアルを実施し、収益力向上のためのアイテム削減を実施いたしました。2019年6月期の戦略は、基幹商品のリニューアルの継続と拡販のための多角的なプロモーションの実施、アイテム削減の継続的実施、新生産管理システムの導入による生産ラインの効率化と製品の品質向上となります。

セグメント別連結業績 -きのこ事業-

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きのこ事業の連結業績は、売上高43億円で、前期比6.0パーセントの増加。営業利益3億円で、前期比271.7パーセントの増加となりました。夏場の台風や冷夏の影響により、(2017年)秋以降、野菜の相場が上昇。きのこ相場も合わせて堅調に推移し、春先より野菜価格は軟化したものの、テレビ等のメディアでまいたけの健康機能が取り上げられる追い風等もあり、通期で堅調に推移いたしました。

2018年6月期は、主力顧客の深耕と拡販、包装作業における生産ラインの効率化を実施いたしました。2019年6月期の戦略といたしましては、不需要期の販売拡大施策の実施、包装ラインの合理化の継続実施、生産環境の最適化による収量のアップを図ってまいります。

ICHIMASA30ビジョン:超長期計画ロードマップ

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次に、中期経営計画についてご説明いたします。30年後のありたい姿を目指した「ICHIMASA30ビジョン」を策定しています。

その目指す姿に向けて、10年ごとに3つのステージを設定いたしました。現在は、最初の10年のFirst Stageであります。First Stageは、成長基盤創りの5年と成長軌道への5年に分け、5ヶ年の中期経営計画としています。

30年後の当社が目指す姿に向かい、あるべき姿を想定し、今を変革する。バックキャスティング思考で、全社一丸となり取り組んでいます。

中期経営計画

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現在、中期経営計画は2021年6月期までの成長基盤創りの5年間の3年目です。進捗状況はご覧のとおりで、達成のための戦略は、「基幹商品の拡販・売上増加」「収益に寄与する省人化ライン実現のためのFA化推進」「海外事業の営業、組織基盤の確立・強化と収益拡大」「多様な人財が活躍できる強固な組織づくりのための働き方改革の推進」です。

グループが一丸となって、中期経営計画の達成に向けて、各事業・各部門の課題に真摯に取り組んでいます。

2019年6月期 連結業績予想

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続いて、中期経営計画の3年目となる、2019年6月期の連結業績予想についてご説明いたします。

売上高365億円、前期比4.2パーセントの増加。営業利益12億円、前期比17.8パーセントの増加。こちらを、2019年6月期の連結業績予想としています。

予想営業利益の変動要因といたしましては、販売戦略の実行による売上高6億円の増収。ライン効率化やコストダウンによる生産性向上施策で1億円の増益。多角的なプロモーションを実施するため、広告宣伝・販売促進費が4億円の増加。修繕費などの固定費が1億円増加で、営業利益は12億円を予想しています。

設備投資計画および研究開発の方針といたしましては、生産合理化を目的とし、重点生産設備への投資を行います。お客さまのニーズにお応えする新カテゴリー商品の開発、フォレックパックなどの包装技術による賞味期限の延長や、減塩商品等のさらなる研究開発を推進してまいります。

SDGs・ESGへのアプローチ

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次にトピックスとして、当社の取り組みをご紹介いたします。

当社グループは、経営理念に基づいた事業をとおして、2030年までに達成すべき国連のアジェンダである「SDGs」達成のため、ステークホルダーのみなさまとのアライアンスのもと、サスティナブルな課題に取り組んでまいります。

「飢餓をゼロに」、あるいは「陸の豊かさも守ろう」といった取り組みに対しては、賞味期限の伸長による食品廃棄量の削減に努めてまいります。

また3番目のアジェンダ「すべての人に健康と福祉を」についての対応としては、減塩商品の開発により、健康増進へ寄与します。4番目の「質の高い教育をみんなに」、あるいは11番目の「住み続けられるまちづくりを」については、工場見学を受け入れ、料理教室の開催などを通じて対応してまいります。

8番目の「働きがいも経済成長も」につきましては、働きやすい、働きがいのある職場環境づくりと、ダイバーシティを目指してまいります。16番目の「平和と公正をすべての人に」は、独立社外役員会を設置し、ガバナンスを強化してまいります。

まだ目標に向けて施策検討や計画段階のものもありますが、今後も持続可能な社会の実現に向けた取り組みを展開・推進してまいります。

新商品のご紹介

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「鍋に入れたらうまかった 鍋用カニかま」(をご紹介すると、こちらは)サラダに定番となっているカニカマを、鍋の具として(使用する)新提案をしてまいります。煮崩れしない繊維と濃い旨味を実現することで、最後までしっかりと味わえる鍋食材となっています。また、自然で鮮やかな色合いが鍋を彩ります。

「うなる美味しさ うな次郎 長持ちパック」は、2016年より発売を開始したうなぎの蒲焼風練物です。今年(2018年)の夏も、(価格が)高騰するうなぎの代用品として、数々のメディアに取り上げていただきました。今年の2月より、そのまま電子レンジで加熱が可能となり、容器も熱くなりにくいものにしました。従来品よりも簡便性を強化し、賞味期限を長くした「うなる美味しさ うな次郎 長持ちパック」は、順調に売上を伸ばしています。

さらにプロモーション展開として、商品キャラクターに「うな次郎くん」を採用。ゆるキャラグランプリにエントリーしたり、グッズ発売、SNS発信などの施策により、商品認知度の向上、商品の定着を図っています。

以上をもちまして、2018年6月期決算説明を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

【質疑応答:水産原料の高騰による影響について】

質問者1:水産原料の調達価格はいろんな業種で高騰してきていると思うのですが、影響は出ているでしょうか。今期はどのように見ていらっしゃるか、ご説明をお願いいたします。

野崎:原料の状況について、我々の業界は、ほとんどの主原料を輸入に頼らざるを得ない状況になっておりまして、多くはアメリカのベーリング海からスケソウダラが入ってきております。

ここはアメリカ政府から厳格に持続的な資源管理ということで管理されているエリアでございますので、資源量が極端に増減するということはありません。

ベーリング海の近郊で採れるTAC(漁獲可能量)の枠は、全部で200万トンに設定されております。そのうちの140万トン弱がスケソウダラの枠として与えられており、そのほかの60万トンについては、マダラ、オヒョウ、サーモンなどをさまざまな業種に分け与えていくという環境です。そのなかでスケソウダラに関しては、ここ数年では135万トン前後ぐらいで決められております。

この限られた資源量の中、世界中では健康志向で……スケソウダラなどの白身魚の引き合いが非常に伸びてきている関係上、日本のマーケットでは、冒頭にお話ししたようにダウントレンドではありますが、世界におけるスケソウダラのニーズは毎年伸びてきている状況でございます。

その意味で、アメリカ産の原料については、これから(価格が)上がっていく可能性は否定できないと思っております。

国内産の原料ですと、今日の「どうしん(北海道新聞)」にも出ておりましたが、北海道産のスケソウダラやホッケなど、資源の状況が数年来思わしくない状況で、北海道産の原料についてもなかなか好転が見込めません。

ましてや量も減ってきておりますので、需要が高まってきている中では、アメリカ産の原料相場に引っ張られる状況でございます。全体的に見て、原料に関しては厳しい状況が続くものと見ております。

質問者1:原料がそういう状況の中、人件費などのコストも上がっていく方向にあると思います。最終的には企業の中で吸収するものと、価格に転嫁しなければならないものとがあると思いますが、値上げに対するスタンスや、競争環境も含めて、実際に(値上げを)やろうとしてできるものなのかなどについて、どういう状況にあるのかを教えていただけないでしょうか。

野崎:ホームページで開示していますが、ご質問にあったとおり、さまざまなものがコストアップになってきている関係上、(2018年)8月20日の出荷分より、お取引先さまに平均10パーセントの値上げを要請しております。1週間ほど経ちますが、お取引先さまのご理解をいただきながら、値上げを進めている状況でございます。

本来であれば(社内で)吸収すべきことではありますが、すべての費用がコストアップをしております。人件費等について、政府は最低賃金として時給1,000円を目指していますので、毎年20~30円ずつ上がっていくでしょう。派遣社員に頼らざるを得ない労働環境の中で、派遣社員に対する人件費等も上がってきていますので、当社としては自動化、人に頼らない「AI・IoT・FA化」を推進すべく、スケジュールを組んで対応しています。

質問者1:ありがとうございます。そういう環境の中、今期(2019年6月期)の状況として、4パーセント強の売上高増加を見ていらっしゃいますよね。ここは、値上げする分を全部計画に織り込んでの数字でしょうか。そのあたりを丸めた数字を織り込んでいるのか、あるいは値上げする分、多少数量は落ちるであろうといったことも織り込んでいるのか、教えていただけないでしょうか。

野崎:おっしゃるとおり、すべてをオンできれば一番いいわけですが、物量ベースも落ちることを想定しています。したがって、そのような着地になるのではないかと想定しております。値上げを実施してからまだまだ(様子を見る必要がありますし)、商談中のところも多々ありますので、そのあたりの状況については、この場では十分な数値は把握しきれていないということで、ご容赦願えればと思います。

【質疑応答:東京のスーパーでの「うな次郎」の棚取りについて】

質問者2:貴重なお話をありがとうございました。2つあります。1つは「うなる美味しさ うな次郎」についてです。ちょっと言葉は悪いかもしれないのですが(この商品は)「うなぎもどき」だと思います。うなぎの値段が上がっているなかで、その恩恵を受けているのでしょうか。こういう新製品が出た場合、東京で買おうと思っても、大きいスーパーに行かないとなかなか売っていないといったことがありますが、東京では例えばどこで買えるでしょうか。東京のスーパーの棚取りなどは、どのような計画でしょうか?

もう1つは、ROEを8パーセントに戻すという中計でしたが、前々期(2017年6月期)には8.5パーセントだったため、簡単なことなのかもしれませんが、いわゆる「ROEの3分解式」でどういった項目……例えば利益率なのかレバレッジなのか、どのあたりを上げていく計画でしょうか。

野崎:まず「うなる美味しさ うな次郎」についてです。みなさんもご承知のとおり、うなぎの元はしらすでございます。このしらすの生態が解明されていないという状況ですが、ここ数年、日本近海で獲れるしらす「Anguilla japonica(アンギラジャポニカ)」、日本種のうなぎのしらすでですが、こちらの漁獲量が激減しています。

この要因自体も解明されていないわけですが、その代替として、数年前から地中海産「Anguilla anguilla(アンギラアンギラ)」というフランス種が使われてきました。世界中にうなぎは存在するわけですが、日本人の嗜好に合うのは、ジャポニカ種とフランス種だと思っています。

みなさんもご承知のとおり、フランス種がかなり日本種の(不足分を)カバーしてきました。しかし、ワシントン条約の中でエンドリストに入っていくということもあり、今までのフランスから輸入して中国で養殖していた分も激減し、今年(2018年)で在庫がなくなっていくという状況でございます。

この流れの中、これからますますうなぎが高騰していくと想定できるわけでございますが、そういうことも踏まえたうえで、スケソウダラのすり身は、いろんなものに加工できる強みがございます。我々は消費者のニーズを捉え、うなぎについて6年ほど研究をして、一昨年(2016年)から製品化を開始、そして販売させていただいております。

大手流通取引先さまには採用されているわけですが、中小のスーパーさんにも、もちろん採用されて配下率も高まってきています。しかし、まだまだ身近な、小さなところには行き届かないところもあるかと思います。

1つの要因といたしましては、大手と比較すると売上スペースが非常に狭い中、標準売価が280円くらいで単価の高い「うなる美味しさ うな次郎」は、(高いゆえに)置きづらい。その点は、ある意味では弱点と言えるかもしれません。その代わり、私どもとしては販売期間、賞味期限を伸ばすかたちで対応しており、お店のロスを少なくするよう努めてまいりたいと思っています。これからも配下率を上げていくように、営業努力は続けさせていただきます。

また、ROEについてです。前々期については8パーセントを超えています。今期については、さまざまな要因の中で利益が下がってしまったことが大きな原因でもあるわけですが、私どもとしては、生産性の改善をしながら利益率を上げていきます。また、利益率の高い商品を重点的に、商品付加価値を高めてより強く販売していきます。

こうしたことを強く意識しながら、商品を拡販し、利益率を上げていきたいと考えています。

記事提供:ログミーファイナンス

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