2025年がはじまりました。
「そろそろ老後資金をしっかり準備しよう!」と思っている方も多いのではないでしょうか。老後の生活をイメージしながら、計画を立てることが重要ですよね。
多くの人が公的年金制度については知っていると思いますが、今回は「年金生活者支援給付金」の仕組みや、どんな人が対象になるのか、その財源についても詳しく解説します。
さらに、老後の大切な収入源となる国民年金や厚生年金の平均受給額もチェックして、実際にどれくらいの準備が必要なのかを確認しておきましょう。
1. 「年金生活者支援給付金」とは?2ヶ月ごとに支給される
「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得が一定基準以下の方々を支援するために設けられた制度です。
年金に追加して支給されて、生活の安定を図ることを目的としています。
2019年10月1日に導入されたばかりですが、年金生活者の経済的な負担を軽減するための重要な支援策となっています。
1.1 年金生活者支援給付金の財源
その財源は、消費税率の引き上げによって賄われています。
2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられた際に、この制度も施行され、初回の支給は同年12月13日に行われました。
1.2 年金生活者支援給付金の種類
この給付金には、受け取る年金の種類や所得に応じて、以下の3種類があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
これらの給付金は、公的年金と同じ日に支給されるため、2ヶ月ごとに振り込まれます。
制度創設時の試算では、老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象者は約160万人、障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象者は合わせて約200万人と見込まれていました。
2. 年金生活者支援給付金制度の対象者は?種類別にチェック
それぞれの給付金の対象者について整理しましょう。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が87万8900円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 77万8900円を超え87万8900円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
2.2 障害年金生活者支援給付金の対象者
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額されます。
2.3 遺族年金生活者支援給付金の対象者
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額されます。
2.4 年金生活者支援給付金が支給されないケース
次のいずれかに該当した場合には、給付金は支給されません。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
続いて、2024年度の支給額を見ていきましょう。
3. 【一覧表】年金生活者支援給付金制度の支給金額
ここからは年金生活者支援給付金制度の支給金額を見てみましょう。
この制度の支給金額は毎年改定されており、2024年度は増額されました。
3.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給金額
老齢年金生活者支援給付金は、月額5310円を基準に保険料納付済期間などに応じて算出されます。
例えば、1956年4月2日以降に生まれ、保険料納付済月数が480カ月、全額免除月数が0カ月の場合、支給額は5310円となります。
2023年度に比べて3.2%増額されましたが、実際の金額は保険料納付済期間や免除期間により異なります。
3.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給金額
- 障害等級2級:月額5310円
- 障害等級1級:月額6638円
3.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給金額
- 月額5310円
これらの金額は月額であり、実際には2ヶ月分が一度に支給されます。年額にすると、約6万円となります。
4. 年金生活者支援給付金は「申請しないともらえない」
年金生活者支援給付金を受け取るためには、年金の受け取りとは別に手続きが必要です。
「これから年金を新規請求する人」と「すでに年金を受け取っている人」の2つのパターンで手続き方法を紹介します。
4.1 これから年金を新規請求する人
65歳を迎える方には、誕生日の3ヵ月前に老齢基礎年金の請求書と併せて給付金請求書が送られてきます。
同封された給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
4.2 すでに年金を受け取っている人
すでに年金を受け取っている方が所得の減少により対象となる場合、9月1日以降に年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が送付されます。
請求書の太枠内を記入し、郵便ポストに投函することで手続きが完了します
すでに年金を受け取っている人の中でも、繰上げ受給している場合は書類の様式が異なります。
なお、一度手続きすると毎年の手続きは不要です。継続支給の判定結果は、前年の所得にもとづき、毎年10月分(12月支払)から1年間反映されます。
次章では、今の高齢者がどれほど年金収入があるのかを見てみましょう。
5. 国民年金・厚生年金は平均いくら?
現在の高齢者の年金収入について、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」からのデータをもとにお伝えします。
5.1 厚生年金保険(第1号) の平均年金月額
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
※国民年金の金額を含む
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
5.2 国民年金の平均年金月額
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
このデータからは、平均とボリュームゾーンが一致しない様子がわかります。
年金額は現役時代の収入や加入期間によって大きく異なります。
そのため、給付金を必要とする世帯もあれば、十分な年金を受け取っている世帯もあり、様々です。
たくさんの年金を受け取っている世帯は現役時代に高収入だったことが多いものの、「老後の収入減少」については多くの世帯にとって共通する課題だと言えるでしょう。
6. まとめにかえて
ここまで、年金について詳しく見てきました。物価の上昇や少子高齢化を考えると、給付金制度があるのはありがたいところですよね。
ただし、こうした制度を利用できるのは一部の世帯に限られるので、政府の制度等に頼るのはちょっと不安です。
これからの時代、老後資金を準備するには自助努力が必要です。
この機会に、少しでも自分の老後について考えて、どう資金を準備していくか、今から見直してみませんか?
自分に合った方法で、着実に備えていきましょう。
7. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
7.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
7.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
7.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。








