4. まとめにかえて

今回の記事では、女性や就職氷河期世代が抱える「年収の壁」について、データと事例を交えながら解説しました。

女性の場合、30代に入ると子育てとの両立を考え、パートやアルバイトを選ぶ方が増える傾向にあります。

しかし、子どもが手を離れた後、労働時間を増やして年収を上げようとしても、「年収の壁」という大きな障害に直面するケースが少なくありません。この壁が、女性がキャリアを広げる上での足かせとなっているのが現状です。

それに加えて就職氷河期世代の現状を見てみると、データ上では大きな年収の差は確認できませんでした。しかし、元銀行員として接してきた経験からは、大学卒業後の進路として正社員就職が難しく、非正規雇用からキャリアを始めた方が多いと感じています。

非正規雇用でキャリアをスタートすると、その後に正社員へ移行することが難しく、結果として望まない働き方を続けざるを得ない人も少なくありません。

働きたい人が自由に働き方を選べる世の中の実現が望まれます。

5. ご参考

「年収の壁」とはよく聞くけれど、103万円以外に何があるのか違いがわからない人も多いのではないでしょうか。

年収の壁は、税金に関わる壁、社会保険に関わる壁、配偶者手当に関わる壁の3種類の壁に分けることができます。

配偶者の収入が変動する「年収の壁」が語られることが多いですが、他にも種類があることはおさえておきましょう。