シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は自転車部品や釣具大手のシマノです。

シマノの平均年間給与はいくらか

シマノ(提出会社)の2017年12月31日時点での平均年間給与は826.9 万円と800万円を超えています。また、従業員の平均年齢は39.8歳となっており、若干ですが40歳を下回っています。平均勤続年数は14.8年となっています。

シマノの従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2017年12月31日時点で1299名。単体で1000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 自転車部品:880名
  • 釣具:295名
  • その他:6名
  • 全社(共通):118名

また、連結の従業員数は1万1829名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 自転車部品:8476名
  • 釣具:2602名
  • その他:185名
  • 全社(共通):566名

過去5年の業績動向

シマノ(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上高ですが、過去5年をみると3000億円台での推移が続いています。2013年12月期に2710億円であった水準が、2017年12月期には売上高は3358億円となっています。

また、経常利益は増減の幅が大きく変動しています。2013年12月期には475億円の水準であったものが、2015年には1011億円と一旦1000億円にのせていますが、2017年12月期には557億円にまで落ち込みました。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益も変動幅が大きく、2013年12月期には350億円あったものが、2015年には761億円になっています。その後、2017年12月期には384億円となっています。

今後の注目点

シマノでは以下の3点を長期的な戦略として掲げています。

  • コアコンピタンスの強化とマーケットの絞り込み
  • 自転車文化・釣り文化の創造とブランド強化
  • 企業価値の向上

自転車の技術革新もギアの制御関係ではアナログ領域からデジタル領域にシフトしつつあるともいえ、今後、同社がどのようにこうした変化の中で競争優位を確立していくのかにも注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部