2. 心身ともに健康なら就労して稼ぐのも一つの手段

高齢期における生活を支える収入となるのが公的年金ですが、昨今は働く高齢者が増えています。

総務省の資料によると、2010年と比較して2023年における就業率は以下のように上昇しています。

  • 60〜64歳:16.9ポイントの上昇
  • 65〜69歳:15.6ポイントの上昇
  • 70〜74歳:12.0ポイントの上昇
  • 75歳以上:3.1ポイントの上昇

また、2023年における労働⼒⼈⼝に占める65歳以上の⽐率は13.4%となっており、こちらも上昇傾向です。

心身ともに健康であるという前提ですが、公的年金に加えて勤労収入を得られれば、経済的にゆとりが生まれます。また、自分の好きな仕事を選択すれば適度なストレスとなり、精神的・身体的な健康を維持できるでしょう。

高齢者には豊富な社会経験があるため、豊富なスキルや専門知識を有しているケースが考えられるでしょう。働くことで「社会に貢献できている」「誰かの役に立っている」という実感を得られれば、生活の満足度も向上するはずです。

今後ますます少子高齢化が進めば、高齢者が社会で求められる場面は増えていくと考えられます。年金生活者支援給付金のように、利用できる公的援助を活用することも大切ですが、無理のない範囲で自分の人的資本を活かすとよいでしょう。

3. まとめにかえて

高齢期において、公的年金や年金生活者支援給付金は頼れる制度です。しかし、平均寿命が延びている昨今の状況を考えると、可能な限り働いて収入を得るとよいでしょう。

経済的なメリットだけでなく、働くことにより心身の健康維持や生きがいの獲得にもつながり、健康的にも精神的にもメリットを得られるでしょう。

参考資料

柴田 充輝