石破総理は2024年11月1日に開催された経済財政諮問会議にて、物価高に苦しむ方々へのきめ細かい支援実施について検討することを公表し、2024年11月22日には、政府は住民税非課税世帯に対し1世帯につき3万円(子ども1人につき2万円加算)の給付金を支給することを決定しました。

今後も物価上昇が懸念されており、政府を中心にさまざまな政策の実施が検討されています。

幅広い取り組みのなかでも「年金生活者支援給付金」は、一定の所得を下回る年金受給者を支援するための制度のひとつです。この記事では、年金生活者支援給付金の支給要件や平均支給額を中心に解説していきます。

1. 年金生活者支援給付金を簡単におさらい

年金生活者支援給付金とは、年金に上乗せされて支給される給付金のことです。公的年金などの合計所得が一定金額を下回る年金受給者が対象になっており、すべての方が給付金を受け取れるわけではありません。

所得が基準値に満たない年金受給者の生活を安定化させる目的で実施されているため、支給要件が明確に定められています。なお、要件は受給している年金の種類によって異なります。

次章では、年金の種類ごとに定められている支給要件をみていきましょう。

2. 年金生活者支援給付金の支給要件

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

上記の3つに分けて具体的な支給要件を解説していきます。

2.1 老齢年金生活者支援給付金の要件

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が1956年4月2日以後に生まれの方は78万9300円以下、1956年4月1日以前に生まれの方は78万7700円以下であること

老齢年金の支給要件では、1956年の4月1日以前と4月2日以後で所得の金額が異なる点に注意が必要です。

2.2 障害年金生活者支援給付金の要件

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※2)が472万1000円以下

障害年金は非課税収入に該当するため、前年の合計所得には含まれません。また、472万1000円以下と定められていますが、扶養している親族の人数に応じて増額される点もおさえておきましょう。

2.3 遺族年金生活者支援給付金の要件

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得が472万1000円以下

遺族年金も障害年金と同様で非課税収入に該当します。そのため、年金生活者支援給付金を計算するときの所得には含まれないのがポイントです。また、前年所得が扶養する親族に応じて増額される点も障害年金と同様です。

3. 年金生活者支援給付金の平均支給額

次に、年金生活者支援給付金の平均支給額を解説していきます。全体と年齢別の平均支給月額を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の平均支給額

老齢年金生活者支援給付金の平均支給額。写真後半では国民年金の平均年金月額も一覧表で紹介1/4

老齢年金生活者支援給付金の平均支給額。写真後半では国民年金の平均年金月額も一覧表で紹介

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」

  • 全体:3930円
  • 70歳未満:4528円
  • 70〜74歳:4057円
  • 75〜79歳:3815円
  • 80〜84歳:3778円
  • 85〜89歳:3816円
  • 90歳以上:3902円

老齢年金では、75歳を目安にして給付金額に若干の開きを確認できます。具体的には74歳以下の支給額が多く、75歳以上の方が金額が小さい傾向にあります。

3.2 障害年金生活者支援給付金の平均支給額

障害年金生活者支援給付金の平均支給額2/4

障害年金生活者支援給付金の平均支給額

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」

  • 全体:5439円
  • 30歳未満:5417円
  • 30〜39歳:5380円
  • 40〜49歳:5366円
  • 50〜59歳:5377円
  • 60〜69歳:5464円
  • 70〜79歳:5581円
  • 80歳以上:5718円

障害年金の場合は、年齢ごとの平均給付金額に差がほとんどありません。なお、2023年時点での給付額は障害等級2級で月額5140円、障害等級1級で月額6425円が目安になります。

3.3 遺族年金生活者支援給付金の平均支給額

遺族年金生活者支援給付金の平均支給額3/4

遺族年金生活者支援給付金の平均支給額

出所:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」

  • 全体:4934円
  • 20歳未満:3925円
  • 20〜29歳:5020円
  • 30〜39歳:5020円
  • 40〜49歳:5020円
  • 50〜59歳:5020円
  • 60歳以上:5020円

遺族年金の場合、20歳以上の平均給付金額は月5020円であることが確認できます。主な理由として考えられるのは、2022年度の支給金額が月5020円であること、また2023年4月から支給額が月5140円に変わったことが予想されます。

上記は2023年3月の資料であるため、2022年度の月額5020円が影響していると考えられます。

4. 老齢基礎年金(国民年金)の平均受給額も併せてチェックしよう

次に、老齢基礎年金(国民年金)の平均受給額をみていきましょう。老齢年金生活者支援給付金の支給要件に該当するのは、前年の合計所得が1956年4月1日以前で78万7700円、4月2日以後なら78万9300円でした。

では、実際に老齢基礎年金(国民年金)を受給している方の平均金額はどれくらいなのでしょうか。今回は男女別に分けて紹介していきます。

  • 全体の平均年金月額:5万6316円
  • 男性の平均年金月額:5万8798円
  • 女性の平均年金月額:5万4426円

上記の資料によると全体の平均受給額は5万6316円でした。なお、平均月額で記載されているので、年間の受給額を計算すると「5万6316円×12ヶ月=67万5792円」になります。

そのため、老齢基礎年金のみで生活する年金受給者は多くの方が約78万円を下回る結果となり、老齢年金生活者支援給付金を受け取れると予想できます。

5. まとめにかえて

年金生活者支援給付金の支給要件や平均支給額を中心に解説しました。それぞれ受給している年金の種類ごとに異なるほか、前年の所得や納付期間などによって差が生じる点は留意しておきましょう。

特に老齢年金生活者支援給付金の場合は、前年の公的年金の金額も所得に含まれるので注意が必要です。

参考資料