厚生労働省の管轄で設定されている「最低賃金」の改定について、「地域別最低賃金の全国一覧」によれば各都道府県で10月から11月初めまでに発効されています。(都道府県により、日付は異なります。)
「103万円の壁」の議論で注目されるパート収入を得ている方にとっては、収入アップに直結するニュースです。
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、パート勤務を含む非正規雇用で就業している方は男性が428万人、女性が870万人となっています。女性の社会進出が進んでいるとはいえ、まだ男女間での開きがあることがわかります。
今回は、「103万の壁」の影響が強いと思われる、女性の平均年収についてみていきましょう。
1. 【20~70歳代】平均年収はどれぐらいか
さきほどの国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」から、20〜70歳代の平均年収を見ていきましょう。
上記調査より、男女別の各年代の平均年収をみてみると、男性は年代が上がるにつれて年収が上がっていくのですが、一方で女性は横ばいから緩やかに減少するとがわかります(【図表1】参照)。
男性の場合は、50歳代まで平均年収は上がり続け、55〜59歳でピークである「712万円」となります。社会に出てから安定的に増えるというのが特徴でしょう。
一方、女性の場合は、20歳代後半から50歳代まで平均年収が300万円台前半と横ばいな状態が続いており、最も高い平均年収でも25〜29歳で「353万円」となっています。
また、男性の場合は日本全体の平均年収に到達する人が、比較的若い世代でも多い傾向にありますが、女性の場合はハードルが高い現状がみてとれます。