2. 女性の平均年収が低いのはなぜ?
年代が上がるにつれて、男女の年収に大きな差が生じています。
特に55〜59歳の平均年収では「男性が712万円」「女性が330万円」と、2倍以上も年収に違いがあるのがわかります。
では、なぜ男性よりも女性の平均年収が低くなってしまうのでしょうか。
男女の収入格差が生じている背景として、女性の場合は結婚や子育てなどをきっかけにキャリアが中断したり、「103万円の壁」というように世帯の課税を考慮して、仕事をセーブしていることが考えられます。
結果、「パートタイム」「アルバイト」といった正社員よりも短い時間帯で働く選択をする人が多いことが、要因の1つです。
実際に、厚生労働省の「第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況」によれば、女性の年齢階級別就業率は30歳代前半からパート・アルバイトの割合が増加し始めるということが確認できます。
また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると正規雇用と非正規雇用とで賃金差が月10万円以上となっています。
一昔前よりも共働き世帯が増加していますが、女性の場合は正社員よりもパートで働く人のほうが多いことから、男女で収入に格差が生じているといえます。
3. 【男女別】年収ごとの割合
最後に、年収ごとの割合を確認していきましょう。
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、男女における年収ごとの割合は下記の結果となりました。
男性の平均年収のボリュームゾーンは「300万円超600万円以下」であり、この部分の割合だけで46.4%と全体の約半数を占めています。一番割合が高いゾーンも「400万円超500万円以下」という結果でした。
とはいえ男性の場合は、年収区分にあまり偏りがないのが特徴で、女性よりも幅広い年収区分の人が多いです。
一方で女性の平均年収帯は「200万円以下」を占める割合が全体の34.6%となっており、約3人に1人は年収が100万円台であるとうかがえます。
ここまでみてきたように、女性の場合は結婚や子育てなどをきっかけに正社員からパートに働き方を変える人が多く、その際に「扶養内で働く」という選択をする人が一定数います。その結果として、年収帯「200万円以下」の割合が多くなっているのでしょう。