日本リビング保証、上場後初の決算説明会 経常利益は前期比2倍超の1.58億円

2018年8月20日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、日本リビング保証株式会社2018年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:日本リビング保証株式会社 代表取締役社長 安達慶高 氏
日本リビング保証株式会社 取締役 竹林俊介 氏

会社・事業概要

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安達慶高氏(以下、安達):みなさま、本日は暑い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

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ただいまより、2018年6月期の日本リビング保証株式会社の決算説明会を執り行わせていただきます。

それではお手元のパワーポイントの資料からご説明をいたします。まず、5ページ目をご覧いただければと思います。

改めまして、弊社及び事業概要について簡単にご説明をいたします。

私ども日本リビング保証は、住宅の保守・保証トータルソリューション企業として、「100年の価値を、すべての住まいに」をコンセプトに、住まいに関するさまざまな事業を展開している会社です。

ご覧のように、弊社グループは日本リビング保証株式会社とリビングポイント株式会社という2つの会社で構成されております。リビングポイント株式会社は、電子マネー発行事業を行うにあたり設立された100パーセント出資子会社です。日本リビング保証本体と一体で運営しており、「ニコイチ」だとご理解いただければと思います。

2018年6月時点で、グループの役職員75名で事業を行っております。

事業モデル ①おうちのトータルメンテナンス事業

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続きまして、6ページ目をお願いします。

事業モデルについてですが、弊社は2つの事業を展開しております。

1つ目が、おうちのトータルメンテナンス事業といわれるものです。こちらは保証サービス、検査補修サービス、そして電子マネーサービスという3つのソリューションを有機的に組み合わせることで、家の中のさまざまな情報やニーズを取り込み、リフォーム等の二次商流を創出するプラットフォーム事業となります。

弊社は、このプラットフォームをクライアントである住宅メーカー、不動産会社に提供することで、クライアントのアフターサービス運営をサポートしております。

事業モデル ②BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業

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続きまして、事業モデルの2つ目が、BPOといわれる事業です。

BPO事業では、設備機器メーカー向けに保証制度を設計し、コールセンター、保険手配、収納等を代行する業務を行っております。

このBPO事業では、太陽光メーカーや蓄電メーカー、給湯器メーカー等がクライアントとなっております。

当社の強み

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続きまして、8ページ目をご覧ください。

私どもは住宅のアフターサービスに関して、幅広く対応している会社です。

強みの1つ目としましては、こういったかたちで住宅事業者様の多様なニーズに対してワンストップで対応できる点となります。

もう1つの強みは、保証サービスや電子マネーサービスといった金融ソリューションと、検査補修サービスといったリアルなソリューションを融合したサービスを提供している点です。こちらも弊社の大きな特色となっております。

当社事業モデルにおける会計上の特徴

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続きまして、弊社の事業モデルにおける会計上の特徴となります。

今回短信が発表されておりますが、弊社の業績を見ていただく上で、損益計算書だけで見ていただくのでは、正確な理解が難しいのではないかと思っております。キャッシュフローやバランスシートとの関係を含めてご理解いただく必要があるかと考えております。

こちらは弊社の営業キャッシュフローですが、今期(第10期)終了時点で、7億7,400万円という状況でした。

これに対して、経常利益が1億5,800万円という状況で、6億1,600万円というギャップが存在している状況です。

おうちトータルメンテナンス事業における長期保証契約の仕組み①

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なぜこのようなギャップが存在するのかということについては、先ほど申し上げました、おうちのトータルメンテナンス事業における長期保証契約の仕組みからご説明するのがいいかと思っております。

おうちのトータルメンテナンス事業におけるメインのサービスの1つが、住宅設備の長期保証サービスといわれるものです。

どのような仕組みかについては、(スライドの)上を見ていただきたいと思います。例えば住宅設備の10年保証をご契約いただいた場合、通常は新築の購入時に、住宅オーナー様が10年分の保証料を一括で支払い、住宅事業者様経由で、弊社に10年分の保証料が入金されるかたちになります。

一方、弊社は長期のリスクはすべてヘッジするといいますか、すべて保険会社にリスク転嫁いたしますので、保証に該当するリスクについては、10年でしたら10年分、保険会社にヘッジをかけます。

例えば通常のマンション(を購入した場合)でいうと、1住戸まるごと設備の保証に入るとすると、だいたい1住戸あたり10万円程度の保証料が必要です。そこでまず我々に10万円が入金されます。

その後、保険契約でそのままリスクをヘッジします。仮に(保険料が)5万円だった場合、(マンション購入者から)10万円をいただいて、すぐに5万円を保険会社に保険料というかたちでヘッジしてしまいます。

すなわち、この瞬間に利益確定といいますか……10万円をいただき、保険料が5万円だとしたら、ここで5万円の利益が確定します。

しかし、会計上はこのまま利益確定にはできません。我々の会計がどういう仕組みかというと、保証料でいったん入金はあるけれど、例えば今申し上げた保証料10万円の入金があったとしても、売上の計上としては保証期間に応じて按分されて計上されます。10年保証でいったら、10年間にわたって1万円ずつ計上されるというのが我々の会計の仕組みになっています。

売上原価にあたる保険料も同様です。例えば保険料は売上原価に相当しますが、5万円を支払った場合、売上原価としては10年間にわたって5,000円ずつ計上される仕組みになっております。

おうちのトータルメンテナンス事業における長期保証契約の仕組み②

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図で示すと11ページ目のようになります。

こちらをキャッシュフローで見た時には、例えば保証料が10万円入金されて、保険料を支払い、あとは販管費を払って営業キャッシュフローになるということです。

当期で全部一括計上できるのであれば、これがそのまま利益になります。しかし実際は分割計上されますので、分割したものが過去分も含めて乗ってくるというかたちです。

原価も、今期の分が分割されて、かつ過去の分が乗ってくる(計上される)かたちになります。

かたや販管費は一括計上されてしまいますので、この積み上がりが増えるまでは、どうしても経常利益が圧迫されてしまいます。

先ほどの営業キャッシュフローとのギャップは、このように生じております。

ここからの内容は短信をご覧いただければと思うのですが、保証料として入金いただき、今期で1年分が計上され、残り9年分はどこに消えるのかというと、それは全部「前受収益」のところに残るかたちとなります。

保証料としては入金があるけれども、売上としては計上されないものは、前受収益……残存期間が1年以内なら前受収益、1年超が長期前受収益になりますが、こちらに上がってくるのです。よって、(前受収益の金額というのは)入金はあるけれども売上として計上されていないものです。

同様に、支払った保険料で売上原価として計上されていないものはどこに出るかというと、「前払費用」です。これも(保証料と)同様で、期間に応じて按分されます。

従いまして、前受収益と長期前受収益の合計値から、前払費用と長期前払費用の合計値を引いた差額が実質確定された利益となり、保証期間に応じて期間按分されて戻ってくる、つまりストック収益となります。

これが、2018年6月期時点で、約24億1,400万円あり、言い換えると、事実上の含み益に近い性格のものになります。

こういったことを踏まえ、決算概要の説明をさせていただければと思います。

第10期(2017.7~2018.6)連結業績概要

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13ページ目は第10期、2018年6月期の連結決算の概要となります。まず売上高については、第9期の10億3,100万円に対して、第10期は12億8,700万円ということで、前期比で2億5,500万円の増収。24.8パーセント増となりました。

営業利益については、第9期の6,700万円に対して、第10期は1億6,200万円。こちらは9,400万円の増益となります。

経常利益については、第9期の7,600万円に対して、第10期が1億5,800万円ということで、8,100万円の増益となります。

当期純利益についても、第9期の8,900万円から、第10期は1億300万円となりました。

当期純利益は若干伸びが少ないように見えますが、第9期については税効果会計で税金の戻りがあったためで、そういった関係から伸びが少ないようなかたちになっています。

売上高推移

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続きまして、14ページ目の売上高の推移をご覧いただければと思います。

売上高については、2009年の創業以来、9期連続で増収を達成しております。とくに、先ほど申し上げた前受収益のところがストック売上になるのですが、それが年々積み上がっていきますので、それらが売上増加に寄与している状況です。

営業利益の前年比 増減要因

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続きまして15ページ目です。

第10期の営業利益は1億6,200万円で、前期比で9,400万円の増加となります。この内訳についてご説明します。売上の伸びが2億5,500万円で、売上原価の増加が2,800万円、そして販管費の増加が1億3,200万円となり、経費の増加を売上が吸収したかたちになっています。

セグメント別売上高①

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続きまして、16ページ目になります。

こちらはセグメント別の売上高です。先ほど申し上げました2つの事業、おうちのトータルメンテナンス事業とBPO事業の2つに分けて、売上を掲載しております。

おうちのトータルメンテナンス事業は、第9期の8億7,900万円に対して、第10期は9億6,500万円となり、8,500万円の増収でした。BPO事業は、第9期の1億5,200万円に対して、第10期は3億2,100万円となり、1億6,900万円の増収となりました。いずれも大幅な増加でございます。このBPO事業については、設備機器メーカーから大型案件の受注があった関係で、このように大きく増加しております。

セグメント別営業損益①

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続きまして、セグメント別の損益でございます。

おうちのトータルメンテナンス事業については、第9期はマイナス100万円でしたが、ここはマイナスが増えており、第10期はマイナス2,300万円という状況でした。BPO事業は、第9期の6,900万円に対して、第10期は1億8,500万円という状況です。

先ほど申し上げましたが、おうちのトータルメンテナンス事業の主要サービスが長期保証サービスということもあり、保証料が分割計上される関係で利益を圧迫してしまう構造があるため、なかなかすぐには(利益が)上がらない状況です。それに加えて、業容拡大に向けて、第10期に成長投資を戦略的、集中的に行った関係で販管費が増えたこともあり、マイナスになっております。

新規獲得契約者数・契約機器数(第9期第1四半期~第10期第4四半期)

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続きまして、18ページ目をご覧ください。

こちらは、新規獲得契約者数と機器数です。実は、本件に関して投資家のみなさまからの問い合わせが非常に多かったため、改めてここでご説明いたします。

2017年の12月に大手家電量販店様との契約が終了した関係で、新規契約者数が減っている状況です。ただし、大手家電量販店様との契約は基本的にリフォームの設備交換に対する保証で、1契約あたり1機器になります。

一方で、住宅メーカーさんとの取引は非常に増えております。住宅メーカーさんは、1契約あたりが複数機器となります。例えば1住戸を丸ごと保証したりするため、1契約でも10機器だったり、多ければ20機器などの場合もあります。その意味では、売上に与える影響は機器数のほうが大きいということになります。

契約者数で見ると、(1契約における)機器数の多い、少ないがあり、家電量販店さんは契約者数は多くても機器数は少ない。かたや住宅メーカーさんの場合は、契約者数よりも機器数が非常に多く、売上に対するインパクトは機器数の方が大きい。よって、大手家電量販店様との契約終了は、結果としては、売上に対して大きく関係する機器数にはあまり影響しなかったということになります。

加えまして、大手家電量販店様の契約は、利益率が非常に低い取引だったこともあり、実際は収益に与える影響も多くありませんでした。

第11期(2018.7~2019.6) 連結業績予想

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続きまして、19ページ目、第11期の連結での業績予想についてご説明いたします。

まず売上ですが、第10期の12億8,700万円に対して、第11期は14億6,200万円で、1億7,500万円の増収を見込んでいます。営業利益については、第10期の1億6,200万円に対して、第11期は1億3,800万円で、若干の減益を見込んでいます。経常利益は、第10期の1億5,800万円に対して、第11期は1億7,600万円で増益。純利益についても、第10期の1億300万円から第11期は1億2,400万円と、増益を見込んでいます。

売上高推移(予想)

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20ページ目をご覧ください。

今期(第11期)は、引き続き増収で伸びる見込みです。当然、ストック売上も例年伸びており、1億円程度ではありますが伸びている状況が見て取れます。

営業利益の減少要因(予想)

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21ページで、こちらも(投資家さんからの)ご質問が多かった部分、なぜ営業利益が減少なのかをご説明いたします。

営業利益は1億3,800万円で、前期比マイナス2,400万円としております。売上の伸びは1億7,500万円ですが、売上原価が8,500万円、販管費が1億1,500万円、それぞれ増加しています。

売上原価については、おうちのトータルメンテナンス事業のサービスの1つ、検査補修サービス(が関係しております)。これは実際に人が動くサービスで、この人的コストの高騰を想定し、売上原価を保守的に想定した結果、少し多めの数字となりました。

また販管費については先ほど申し上げましたとおり、第10期もかなり伸びていましたが、引き続き業容拡大に向けた体制整備を目的として、成長投資を行ってまいります。具体的には、人材採用やシステム関連の投資、また今月(2018年8月)から事務所の増床も行ったため販管費が増加して、その結果としてマイナスになっています。

セグメント別売上高②

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続きまして、セグメント別の売上高となります。

おうちのトータルメンテナンス事業は、第10期の9億6,500万円に対して、第11期は11億1,200万円で、1億4,700万円の増加を見込んでいます。BPO事業は、第10期の3億2,100万円に対して、第11期は3億4,900万円。若干の増収ですが、ほぼ横ばいに近いかたちを見込んでおります。

セグメント別営業損益②

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続きまして、第11期のセグメント別の損益です。

おうちのトータルメンテナンス事業は、第10期のマイナス2,300万円という状況から、第11期はマイナス2,000万円で、若干の改善はありながらも引き続きマイナスの状況を見込んでおります。BPO事業については、第10期の1億8,500万円から、第11期は1億5,900万円を見込んでおります。

おうちのトータルメンテナンス事業のマイナスがいつまで続くかについては、基本的には成長投資をやめれば即時に黒字化します。しかし、ストック売上が年々積み上がっていくことを考えると、来期(2020年6月期)以降は順当に進めば黒字化する見込みです。ただし、今後の成長投資をどれだけ行うかという見極め次第かと思っています。

今後の成長戦略

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続きまして、今後の成長戦略になります。弊社の成長戦略は、大きく4つあります。

早期マーケットシェア獲得と市場機会の取り込み【新築住宅マーケット】

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1つ目が、早期マーケットシェアの獲得と市場機会の取り込みです。

弊社の現在の主戦場、すなわちどこのマーケットを中心に事業を展開しているかというと、新築住宅マーケットと中古住宅売買マーケット、これが我々の2大主戦場です。

まず新築住宅マーケットについて簡単に説明いたします。こちらは国内でも、家電量販店さんやメーカーさんを中心に延長保証が展開されおり、かなり一般的な仕組みとなっています。その状況の中、新築住宅マーケットにおいても、住宅設備の延長保証がますます広がっていくと予想しています。

では、なぜ新築事業者が住宅設備の延長保証を導入するかというと、大きく3つの理由があります。1つ目は、住宅の販売促進。2つ目が、アフターサービス対応の負荷軽減。3つ目が、顧客との長期的関係性の構築。大きくわけてこの3つです。

住宅設備の延長保証だけでいうと、もともとは販売促進に使われるケースが多かったのですが、昨今は住宅の販売促進やアフターサービスの負荷軽減、また顧客との長期的リレーションを築くといったところを重視するクライアントが増えてきました。しかし、実は2つ目、3つ目は、延長保証だけではどうしても解決できない問題です。

その中で、私どものサービスである長期メンテナンスシステムは、住宅設備の延長保証に加えて、コールセンターや定期点検など、アフターサービス関連業務を全部パッケージ化。一括で外注できるという戦略的なサービスです。

これを軸に、新築住宅マーケットでの早期のシェア獲得を目指していきたいと考えています。非常にニーズの高いところですので、ここを軸にマーケットを開拓していきたいと思っています。

早期マーケットシェア獲得と市場機会の取り込み【中古住宅売買マーケット】

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続きまして、中古住宅売買マーケットです。

今年(2018年)4月、改正宅建業法の施行により、中古住宅の購入前に、住宅の検査やインスペクション(劣化状況、欠陥の有無の診断)の斡旋の義務化が始まりました。よって、中古住宅の検査・インスペクションに関するニーズが大きく高まっている状況です。

その状況の中、私どもは中古住宅売買マーケット向けに「売買あんしんサポート」というサービスを提供しています。このサービスは、中古住宅の売買契約時に、建物・設備・シロアリについて、第三者として検査を実施し、適合した箇所を、私どもで保証させていただくサービスでございます。

こうした、家をまるごと検査して保証するサービスをワンストップで提供できるノウハウが、我々の大きな特徴です。こうした特徴を活かして、中古住宅売買マーケットの早期シェア獲得を目指してまいります。

早期マーケットシェア獲得と市場機会の取り込み【メインターゲット】

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では、どういったマーケットを狙っていくかについてお話しいたします。

さっき申し上げたように、新築住宅と中古住宅が我々の2大マーケットですが、現在は大手事業者さんとの取引が多い状況です。新築でも中古売買でも大手の取引先が多く、実は市場規模としては、(現在のメインターゲットより)少し下のミドルゾーンが非常に大きいところです。

今後のターゲットとしては、ミドルゾーンを中心に、新築住宅マーケットに関しては「長期メンテナンスシステム」を、中古住宅売買マーケットに関しては「売買あんしんサポート」を積極的に投入して、拡販を進めていきたいと考えています。

住宅事業者のOB顧客に対するスキームの拡充

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2番目の成長戦略が、住宅事業者様のOB顧客に対するスキームの拡充です。

OB顧客とは何かというと、我々のクライアントである住宅事業者様が、過去に住宅を販売し、引渡しをした住宅オーナー様のことです。このOB顧客のニーズに応える新スキーム「OB顧客活性化パッケージ(仮称)」を、今年(2018年)の秋口にリリースする予定です。

まず、住宅のオーナーがどういったところにニーズを感じているかについてです。これ(スライドの内容)はアンケート結果なのですが、1つ目が住宅のメンテナンス。2つ目が暑さ・寒さ。3つ目が間取り。4つ目が耐震性。そして5つ目が広さとなっています。昨今、新築の先細りが見込まれる中、各住宅メーカーさんは、従来の売りっぱなしからストック重視に軸足を移しています。

住宅事業者様からすると、OB顧客の住宅のメンテナンスニーズに確実に対応することが、実は将来のリフォーム獲得につながる、つまりロイヤルカスタマー化には非常に重要で、最も近道だろうと考えています。

しかし通常、新築の住宅事業者様は大きな金額のものを売っているため、単価や利益率の低いメンテナンス、小修繕工事に対応する体制をなかなか構築できていないのが現状です。

コールセンター+小修繕+ポイント+ロイヤルカスタマー化をワンストップで実現

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その中で私どもは「OB顧客活性化パッケージ(仮称)」で、コールセンター、小修繕、ポイント制度などを提供し、ワンストップで顧客のロイヤルカスタマー化を実現するサービスを提供してまいります。

メンテナンス工事に関する対応や体制を、住宅事業者様に代わって弊社が請け負うことで、小修繕工事の収益化が可能になります。加えて、ポイント発行によるリピート顧客作りや、積立型メンテナンスサービスによってロイヤルカスタマーを育成する。そうした仕組みになっています。

住宅事業者様にとっては、OB顧客を活性化することで、将来のリフォームや建て替えニーズを確実に取り込むことができるのです。

住宅メンテナンスに関するセーフティネットの構築

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続いて、3つ目の成長戦略として、住宅メンテナンスに関するセーフティネットの構築です。

弊社の現在のビジネスモデルは、基本的に「BtoBtoC」です。私どもは、住宅事業者様経由で住宅オーナー様にサービスを提供しており、このかたちは今後も変わらないと認識しています。

一方で、一般の方から「メンテナンスをどこに依頼していいかわからないから、修理に対応してほしい」という要望が、実は数多く寄せられています。こうしたお客さまを、我々は「住宅メンテナンス難民」と呼んでいるのですが、これまでは対応をお断りしてきました。しかし、こうした方々も含め、誰でも便利に、安心して、高品質なメンテナンスサービスを受けられるセーフティネット……すなわち、オープン型のWebサービスプラットフォームを提供していく予定です。これは年内(2018年内)のリリースを予定しています。

新たな収益源の開発・検討

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次に、新たな収益源の開発です。

収益源の中で大きく4つの軸があります。潤沢なキャッシュを背景にした、新たな収益源の開発および検討を進めるということで、まず1つ目が、手元現預金の有効活用です。今年(2018年)7月に資産管理部を創設し、保有する現預金による資産運用体制を強化しました。

とくに、取引先ネットワークおよび弊社の専門的知見が生かせる不動産投資運用を中心に開始しています。ちょうど先週(2018年8月17日)「固定資産の取得に関するお知らせ」を開示しましたが、運用収益については、2019年6月期の営業外収益として、すでに織り込み済みとなります。

(スライド19ページにあるように)営業利益が1億3,800万円であるのに対して、経常利益が増えている状況というのは、投資の運用収益の見込みを含めているからです。

2つ目が、新サービスの開発です。「OB活性化パッケージ(仮称)」を皮切りに、OBマーケットの開拓に向けたサービスを拡充していく予定です。加えて、今まで手薄だった賃貸管理や買取再販業者さん向けのサービスの開発も進める予定です。また、さっき申し上げた住宅メンテナンス難民向けのBtoCプラットフォームも開発・推進する予定です。

3つ目が、戦略的M&Aの検討です。こちらは、本業とのシナジー効果を前提に、幅広く検討していく予定です。

4つ目が、海外進出の検討です。これまで設備の保証などを手がける中で、サービスのニーズの高さを実感しており、海外でもニーズがあるのではと考え、今後は海外への展開も検討していきたいと思っています。

中長期成長イメージ【売上高】

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36ページ目になります。

現在、私どもは11期です。今後1年、2年といった短期的なところでは、新築住宅マーケット・中古住宅売買マーケットを軸に、拡販を進めていきたいと思っています。ただし、中長期的にはマーケット規模が新築や中古売買よりも圧倒的に大きい住宅ストック市場向けのサービスを拡充していきたいと思います。

その中の1つが、先ほど申し上げたOB顧客向けのサービスであり、BtoC向けのサービスです。こうしたものを拡充させていくことで、中長期的な売上を確立させていきたいと考えています。

駆け足になってしまいましたが、以上でございます。

質疑応答:競合他社や現在のシェアについて

質問者1:1点目の質問は部門別についてです。おうちのトータルメンテナンス(事業)とBPO(事業)に関わってくる競合関係と、御社のポジションはどういうものか、ご説明をお願いします。

安達:おうちのトータルメンテナンス事業については、おもに6ページ目を見ていただければわかるかと思いますが、保証、検査補修、電子マネーの3つのサービスを組み合わせたものです。

競合という意味では、例えば保証だけ、検査補修だけといったサービスはありますが、こうして3つを組み合わせたサービスは、なかなか他社では真似できないサービスです。

単独で「保証だけ」といった意味で競合することはあります。しかし、我々は今後、長期メンテナンスシステムというサービスを軸としていきますが、これはすべてをパッケージしたサービスですので、競合はゼロではないと思いますが、あまりいないと考えています。

質問者1:では、このサービスの中で無料修理サービス(保証)の状況はどういったものでしょうか?

電子マネーなどは、(おうちのトータルメンテナンス事業にとって)本質的な問題ではないかなと思いますので、やはりこの3つのサービスの中でいうと、メインは保証かと思いますが、いかがでしょうか?

安達:サービスを(総合的に)組み合わせて、最終的には保証で利益を上げていくという構図です。「保証だけ」となると、どうしても同業他社の存在がありますので、保証だけの勝負になると価格競争などで負けるケースがあります。

しかし我々としては、ほかのサービスを組み合わせてお客さまに付加価値を提供することで、いかにして、最終的に利益をもたらす保証につなげるかを中心に事業を展開しています。

質問者1:機器保証の中で、シェアはどれくらいでしょうか?

安達:住宅事業者の中では、3、4割ではないかと思っています。

質問者1:そうすると、御社はトップ(シェア)なのでしょうか?

安達:正確なデータはありませんが、おそらく(実情を)見ている限りではトップです。

質問者1:では、2番目の質問です。実際の保証の工事というのは誰が行うのでしょうか?

安達:弊社のサービスマンが行うケースもありますし、提携先が行うケースもあります。ケースバイケースです。

質問者1:工事部門を持っておられるということでしょうか? 

安達:はい、弊社にあります。

質問者1:何人くらいの部門なのでしょうか?

安達:工事部門、施工部隊という意味でしょうか? 施工部隊自体は今、検査や補修等も含めて30人弱くらいです。

質問者1:実際に工事を行うのは、そこから下請に出すようなかたちでしょうか?

安達:いろんなケースがあります。直接当社で行うケースもあります。大きな工事になると、自分たちでできない場合には、外部の業者に依頼するケースもあります。

質問者1:次の質問として、(大手)家電量販店が契約解消したということですが、量販店側の(契約解消)理由はどういったものでしょうか? 質問のポイントは、今後も(同様のことが)ほかで起きるのかなと考えた次第です。

安達:有名な家電量販店様でしたので、価格だけの話です。我々は、これ以上価格が下がったら折り合いませんでした。すでにほとんど利益のない状況で、さらに価格を下げる要求があったため、(継続は)少し難しいという判断でした。

質問者1:そうすると、ほかにあまり波及するということはないでしょうか?

安達:同じような家電量販店とはあまり取引がなく、すでに家電量販店系では価格競争がありまして、我々はあまりここは狙っている領域ではないのです。

(大手量販店の案件は)紹介案件だったため、スタートはしたものの、我々のメインクライアントはもともとが住宅事業者様でしたので、たまたま(そうした案件が)入ってきたときには対応するというだけです。

質問者1:最後の質問です。先ほどの収支予想で、人的コストの増加というお話がありました。仮に契約が10年だった場合、2、3、4年目あたりでは御社の経費はほとんどかからず、修理が求められるのは8、9、10年目かと思います。そこで逆に、10年目になると、その年に計上される分割利益よりも経費のほうが高くなるのではないかというイメージを持っているのですが、そのあたりはいかがでしょうか?

安達:すべて保険をかけているため、ある意味、リスクはゼロです。

質問者1:保険をかけているから、関係ないということですね。

安達:どんなに修理が増えても、すべて返ってきます。よって我々にはリスクはまったくありません。

質問者1:これは私の誤解でした、失礼しました。ありがとうございました。

質疑応答:BPO事業は、なぜ増収減益なのか

質問者2:ありがとうございました。BPO事業のところでお伺いしたいのですが、今期(2019年6月期)も増収でありながら(営業利益は)減益予想になっていました。この減益予想の理由は何でしょうか?

安達:実は、新規の大口が今期から入る予定です。大手不動産会社のコールセンターの受託なのですが、実は利益率があまり高くありません。その先を見ての受託なのですが、その利益率の低さを見込んでの減益となっています。

質問者2:なるほど。BPO事業は(大きな収益を生むまで)けっこう遅れるという印象がありましたが、これから増収増益ペースということでよろしいでしょうか?

安達:横ばいぐらいです。大きく伸びるかといったら(難しく)、やはりメインはおうちのトータルメンテナンス事業です。BPO事業は、保険会社の紹介案件が多いのですが、実は「依頼があれば対応する」という考え方がメインのため、大きく伸びるというよりも、横ばいからややプラスという状況かと思います。

質問者2:36ページの中長期(成長イメージのスライド)のところなのですが、この傾きを見ますと、売上で20パーセントから30パーセントくらい伸びる印象を持ちました。それくらいで見てよろしいでしょうか?

安達:そういう気持ちでおります。

質問者2:最後に、販管費も割合で見ると今期は17パーセントぐらい伸びることになると思いますが、売上の成長が13パーセントのため、これが逆転するタイミングなどについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 売上の方はどれくらいで伸びてくるでしょうか?

安達:これは、成長投資をどう考えるかということだけだと思っています。とくに今期、住宅のマーケットを開拓するにあたって、さっき申し上げましたが、今期・来期(2020年6月期)くらいが勝負です。ここでいかにシェアを獲得するかが重要なところです。よって、人材採用などを積極的におこない、まずは(大きなシェアを)取りにいこうと考えていますので、今期・来期ぐらいまでは販管費が多少増えていく可能性が高いです。

また、人が増えると当然、事務所(の大きさ)も足りなくなってきます。現在は増床などの経費がかかっており、あと1、2年は(そうした傾向が)続くと思います。

質疑応答:他社が大きく進出してきたときの対策はどういったものか

質問者3:ご説明をありがとうございました。そもそもの話で恐縮ですが、保証と補修と電子マネーを兼ね備えているのが御社だと(いうところは理解しております)。しかし、1つのサービスで見ると競合が存在する。それでもトータルで対応できる企業は少ない、そこが御社の特徴と受け止めていますが、なぜ御社だけが複数の機能を兼ね備えたサービスを提供でき、他企業にはできないのでしょうか。その理由は何だと思われますか?

安達:(他社でも)できないことはないと思っていますが、例えば保証事業は保険に近く、契約管理のシステムなど、保険のシステムのようなものを使います。また検査補修はリフォーム事業に近いため、リフォームの進捗管理システムのようなものを使っています。電子マネーは、ちょっとおこがましいですが、小さな銀行のようなもので、銀行の管理システムのようなものが必要です。そして、それぞれがシステム自体も含めてけっこう重たい(扱うのが大変)です。

お客さまのニーズは非常に高いのですが、かたや運営側からすると、それらの業務がミックスされたものというのは、システムの設計も含めて非常に大変です。(やろうと思えば)できなくはないと思いますが、それぞれノウハウが必要な分野です。我々は、それぞれスペシャリストを配置していますので、うまく一体化できているのかなと思います。ですから、他社さんもできなくはないと思います。

質問者3:他社がやってきたとしても、御社はもう何年も手がけているため「どの企業を選びますか」と言われれば、実績のあるところが選ばれるでしょう。それは理解できます。しかし、(他社が)力技でやってくる、ものすごいシステム開発を進めるなど、それだけのニーズや収益性があれば、(当然、他社が)やってくる可能性はあるでしょう。可能性の話で恐縮ですが、どのようにお考えですか?

安達:もちろん(そういった事態も)あると思っています。だから我々は、永遠にこのサービスだけでいけるとは思っていません。今はあまり言えないですが、新サービスをどんどん開発していく予定です。

常に一歩先、3年経ったら違うビジネスモデルになるかもしれないくらいのイメージを持って事業に取り組んでいます。当然、我々はお客さまのニーズをお聞きして、ニーズに合うサービスをどんどん提供していくわけですが、一方で積極的に新しいサービスを開発して、どんどん提供していく予定です。そして、どんどん他社と差別化をしていこうと考えています。

質問者3:わかりました。どうもありがとうございます。

質疑応答:サービスを利用する法人のメリットとはどのようなものか

質問者4:すみません、基本的なことで恐縮です。御社の保証の範囲は、住設機器だけですか? それとも、火事、家の土台が悪かった、建築の不備といったところも保証の範囲でしょうか?

安達:メインは住宅設備の保証です。建物は基本的に、新築のときは瑕疵保険法人さんが対応します。我々は中古の売買で建物の検査をやっており、中古の売買の保証については、雨漏りなどの保証にも対応しています。

新築時は瑕疵保険法人なのですが、中古の売買では、私どもの保証を使っていただくケースはけっこうあります。また、施工に関して……例えば家を引渡した後に、瑕疵保険で対応できないような不具合が発生したり、ちょっとした不具合に対応する保証もあったりします。要するに、設備以外も、家を丸ごと保証させていただいております。

質問者4:10ページで示されている表に当てはまる範囲としては、どこをイメージしているのでしょうか。

安達:これは、住宅設備保証メインです。

質問者4:具体的に言うと、例えば湯沸かし器、お風呂など、家についている住設機器ということでしょうか?

安達:おっしゃるとおりです。

質問者4:住宅メーカーからのニーズについては、少しわからない部分があります。というのは、メーカーごとにそういった機器には保証が付いていると思いますので、住設機器だからといって、わざわざ一括して、御社が10年なら10年保証するというところがうまく理解できていません。損保会社さんや住宅メーカーから見たメリットなど、そのあたりを詳しく教えてください。

安達:まず、メーカー保証は基本的に1年や2年ですので、期間が終わればメーカーは保証してくれません。また、家の中の設備は(メーカーが)ばらばらです。例えば、あるところはLIXILさんで、あるところはTOTOさんといったこともあります。それらをまとめて保証しても、電話(で問い合わせを)する先がばらばらで面倒くさいという声がけっこう多いです。

我々のサービスはどのメーカーであっても保証できるため、エンドユーザーからすると、ある意味ではまとめて一括、電話1本で全部対応できるため、非常に楽なんです。その意味では、各住設メーカーに保証を付けるよりも、我々のサービスを受けてもらった方が、お客さまの利便性は非常に高いのです。そこが大きなところです。

また我々は、建物、設備関係のプロフェッショナルを揃えています。例えば、保険会社が電話を受けても、たぶん保証対応についてはわからないはずです。自動車や火災保険のプロではありますが、設備・建物に関しては詳しくありません。

しかし我々のコールセンターは設備・建物の修理のプロが揃っており、そこで受け付けて査定することで、ロスを抑える仕組みがあります。

したがって、損保会社さんなども、我々を経由した方がロスが安定する(少なくなる)ということで、我々を経由していただいていると思います。

竹林俊介氏:1つだけ追加させていただきます。住宅メーカーさんの場合、保証事業などを手がけると、会計的にはBSがどんどん膨らんできてしまいます。私どものBSを見ていただければわかると思います。

住宅メーカーさんでは、本業でたくさん借り入れがあったり、あるいは上場されていたりすると、会計のところで10分割するといったことはなかなか難しいようです。しかし我々は、本業でそういうシステムを持っています(ので、そこは問題ではありません)。この面だけでも、私どもにアウトソースする1つの意義があると感じています。

質問者4:具体的に御社が保証するということ……例えば、私が新築の家を住宅メーカーに依頼して建てたとします。そして、住宅メーカーを経由して御社に保証の依頼をした場合、例えばパナソニックのこういう機器、LIXILのこういう機器ということで、何年製造のどういった機種かなどを御社に連絡して、そして「パッケージで、だいたいの年間保証料はこれくらいです」という流れになるということでしょうか?

安達:おっしゃるとおりです。

質問者4:わかりました。ありがとうございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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