3. ライフスタイル別の保障の選び方・見直し方

50歳代といっても、子どもにまだお金のかかる世帯、夫婦二人の世帯、おひとりさまなどさまざまなライフスタイルがあります。それぞれによって必要な保障が異なるため、自分の状況にあった保障を考えましょう。

3.1 おひとりさまの場合

50歳代でおひとりさまの方は、自分が亡くなった場合に遺族に遺すお金を考える必要性は少ないでしょう。高額な保険金額の生命保険よりも、葬儀費用や整理資金などのために、終身保険や定期保険などに加入する方法があります。

また、先にも触れたように、病気やけがなどの治療費にかかる費用がかかる可能性があるため、医療保険やがん保険などへの加入も併せて検討しましょう。

3.2 夫婦二人の場合

夫婦二人のみの世帯は、自分が亡くなったときに、配偶者がその後の生活に困らないような保障金額を考えるようにしましょう。

夫婦共働きの場合は、相手の生活費などは困らないかもしれませんが、自分の葬儀代や整理費用の準備をしておけば配偶者に経済的な負担をかけずに済みます。

一方、配偶者を扶養している場合は、自分が亡くなった後に経済的に困らないよう、必要な金額を計算し保険金として受け取れるようにしておきましょう。

また、医療保険に加入していない方や、生命保険の医療特約を付けていない方は、高齢期の病気やけがに備えて、医療保障をプラスすることをおすすめします。

3.3 独立していない子どもがいる方

まだ独立していない子どもがいる世帯は、引き続き自分に万が一のことあった場合の家族の保障を考える必要があります。

自分亡き後、家族が経済的に困らないよう、子どもの教育費にあとどのくらいかかるのか、毎月の生活費にいくらかかるのかを検討し、必要な金額を算出しましょう。

終身保険を選ぶと一生涯の保障が得られますが、50歳代から加入すると保険料が高額になり、支払い負担が大きくなる可能性が高いです。

子どもの教育費や住宅ローンの返済などにお金のかかる場合は、定期保険に加入し手頃な保険料で手厚い保障を付ける方法もおすすめです。

また、病気やけがなどで休業する際の収入減少に備えられるよう、就業不能保険や所得補償保険なども合わせて検討すると良いでしょう。

4. まとめにかえて

50歳代はすべての年代のなかで、生命保険への加入率が最も多くなっており、8割以上の方がいずれかの生命保険に加入している状況です。

しかし、50歳代とひと言でいっても、子どもが独立した世帯もあれば、まだ教育費にお金のかかる世帯もあります。

また、おひとりさま世帯もあるというように、さまざまな形態の世帯があり、それぞれに適した保障の種類や必要金額が異なります。

自分の状況を考えて不足している保障を洗い出し、十分な保障を付けて高齢期に備えられるようにしましょう。

参考資料

木内 菜穂子