5. 資産運用の必要性
本記事では、年金額の実態について解説してきました。
「年金のみで老後生活を乗り切ることができるか」について非常に難しいと感じた人も多いのではないでしょうか。
また、今後の物価上昇や社会保険料の負担増加も考慮すると、年金のみで十分な老後生活を送ることはさらに難しくなっていくと予想されます。
年金だけに頼らない、老後資金作りを始めることが重要となりそうですね。冒頭にあったとおり、資産運用を活用した老後資金作りを始めようとする流れは今後も続いていきそうです。
「新NISA」や「iDeCo」といった税制優遇制度を耳にする機会が多いかもしれませんが、あくまで制度である為、中身の金融商品について理解することが大切です。金融商品には株や投資信託、債券などといった様々な種類があり、特徴やリスクが異なります。
資産運用におけるリスクとは「変動の幅」を表す言葉であり、大きな利益を狙えるものは逆に下がる幅も大きいといえます。
老後資金準備は長期間にわたる資産運用となるため、自分に合った商品や方法で資産運用を始めることが大切となります。
まずは、老後に不足する金額を把握した上で、計画的に準備を始めることができるといいですね。
5.1 ご参考:年金額アップを目指す方法をご紹介
繰下げ受給
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。
参考資料
奥野 友貴