11月30日は「年金の日」です。
“国民お一人お一人、「ねんきんネット」等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らしていただく日”とされています。
年金記録や年金受給見込額を確認し、老後の生活を具体的に思い描くきっかけにしましょう。
また、国民年金と厚生年金を「どのくらい受け取れるか」を確認することも大切ですが、人によっては「確定申告」が必要になる場合があることをご存知でしょうか。
今回は、国民年金と厚生年金の受給者の中で、確定申告が必要な人とそうでない人について詳しく解説します。
確定申告不要制度についても理解を深め、ご自身が申告の対象かどうかをしっかり把握しておきましょう。
1. 確定申告不要制度の対象となる人は?
通常、公的年金等の収入は「雑所得」として課税対象となっており、一定金額以上の収入を得ている場合は確定申告を行って税金の過不足を精算する必要があります。
しかし、年金受給者の確定申告手続きに伴う負担を減らすため、公的年金等に係る「確定申告不要制度」が設けられています。
確定申告不要制度の対象になるのは、以下の2つの条件を満たす場合です。
- 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下かつその公的年金等の全部が源泉徴収の対象
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
なお「公的年金等」には、国民年金や厚生年金に加え、共済組合から支給を受ける老齢年金や恩給(普通恩給)などが含まれます。
「公的年金等に係る雑所得以外の所得」は、生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金、給与所得、生命保険の満期返戻金などが該当します。
公的年金だけで400万円以上を受け取る方はごく少数なので、他に収入がなければ確定申告不要制度の対象となるケースが大半でしょう。
ちなみに、国民年金部分を含む厚生年金の平均支給額は14万3973円となっており、年間にして約172万円です。