2024年11月7日、公明党は政府が策定する新たな総合経済対策に盛り込む内容を提言しました。
提言には、具体的に下記の内容などが明記されました。
- 物価高の影響が大きい低所得世帯や低所得の子育て世帯、賃上げの恩恵が及ばない年金生活者に対しては、生活支援として速やかに給付金を支給すること。加えて、物価高に苦しむ一定の世帯にも支援が行き届くような制度設計を検討し、必要な対応を行うこと。
- 家計を圧迫している電気・ガス料金、ガソリン等の燃料費への支援を続けること。
- 物価高騰の影響を受けている生活者や事業者に対し、地方自治体が地域の実情に応じたきめ細かい支援を実施できるよう、「重点支援地方交付金」を追加で措置すること。
- パートやアルバイトで働く方が、年末に就労調整を行うことなく、いわゆる「年収の壁」を意識せずに働くことができるよう、「106万円の壁」や「130万円の壁」を克服するための「年収の壁・支援強化パッケージ」を着実に実行するとともに、制度の抜本的な見直しに取り組むこと。
※公明党「『総合経済対策』の策定に向けた提言(重点項目)(2024年11月7日)」から一部抜粋
上記のように、年金生活者への支援などに触れられています。
ここで気になるのが、年金生活世帯の人が、ひと月にどれくらいの年金を受け取っているのかということ。
年金だけでの生活はやはり難しいのでしょうか?
今回の記事では、現役シニアが直面している年金事情をデータを交えて詳しく見ていきます。
また、現役世代が老後に備えるために何ができるのか、具体的な準備方法についても解説します。将来の安心を得るために、一緒に考えてみましょう。
1. 【公的年金】国民年金・厚生年金の仕組みとは?
日本の公的年金制度について説明します。
まず、公的年金は「国民皆年金」と呼ばれ、日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入義務を負っています。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
まずは、国民年金について解説します。
国民年金は基本的に20歳以上60歳未満の日本国内に住むすべての人が加入します。
- 保険料は一律:2024年度は月額1万6980円。
- 給付額は納付期間で決まる:2024年度の満額は月額6万8000円。
国民年金には3種類の被保険者がいます:
- 第1号被保険者:自営業者や学生など、自分で保険料を払う人。
- 第2号被保険者:会社員や公務員。厚生年金を通じて支払い済み。
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者で、保険料の負担はありません。
1.2 厚生年金(2階部分)
次は厚生年金です。厚生年金は会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入します。
- 保険料は給与に比例:給与やボーナスに応じて決まります(上限あり)。
給付額は納付額で変動:支給額は加入期間や支払額によって計算され、国民年金と合わせて支給されます。
気になるのは、実際にどのくらい年金を受け取れるのかですよね?
ここからは、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均支給額を見ていきましょう。