内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、日本の高齢化率は29.1%に達しており、高齢者の割合はますます増加しています。日本の公的年金制度は現役世代が高齢者を支える仕組みとなっているため、若い世代の減少は制度全体に大きな影響を及ぼします。
ファイナンシャルアドバイザーの筆者も仕事を通じて将来の資金計画について相談を受ける機会が多いのですが、現時点でも年金への不安を抱える方は少なくありません。
この不安に対しては、年金が少ない人を支援する「年金生活者支援給付金」などの対策も取られていますが、実際の支給額がどの程度なのか気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、公的年金の支給額や「年金生活者支援給付金」の制度について確認し、老後の資金計画を考えるきっかけになれば幸いです。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 厚生年金「月額15万円以上」の割合は意外と少ない?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は「14万3973円」です。
この金額には国民年金も含まれています。
厚生年金は一般的に手厚いイメージがありますが、実際には国民年金を含んで14万円台という数字に驚く方も多いでしょう。
さらに、厚生年金の受給額は現役時代の報酬や加入期間によって決まるため、個人差が大きく、15万円以上を受け取る人ばかりではありません。
同資料によると、厚生年金「月額15万円以上」の割合は以下のとおりです。※国民年金の金額を含む