今週の日経平均株価:トルコリラ急落、米中貿易摩擦はどう影響する?

2018年8月13日 テクニカル分析

外的要因は不安定ながら、個別銘柄を物色する動きも

2018年8月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より300円31銭安の22,298円08銭となりました。終値が22,300円を割り込んだのは、7月12日以来、約1か月ぶりです。

同日開かれた日米の閣僚級貿易協議(FFR)が合意に至らず、協議を続けることが決まったことから、不透明感が広がりました。お盆休みを前に、投資家の間に利益を確定する動きも出ました。

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今週以降の動きはどうなるでしょうか。まず日米貿易協議については、その結果次第とはいうものの、米中間のような激しい対立にはなっておらず、当面はさほど悲観的になる必要はなさそうです。

それよりも、依然として警戒感があるのが米中間の貿易摩擦です。トランプ米政権は7日、23日から160億ドル相当の中国製品に最大25%の追加関税を課すと発表しました。これを受けて中国もただちに、同規模の報復措置を取るとしました。

今週14日には中国の7月鉱工業生産、7月小売売上高などの指標も発表されます。中国の国内市場はかつてのような勢いが見られません。指標の内容によっては、日本株も連れ安になる可能性があります。

今週もう一つ気になるのが、トルコリラショックです。米国との対立で、トルコの通貨リラは1日で一時20%近くも下落しました。外国為替市場が不安定な動きになれば、リスクオフの安全通貨として円が買われることになり、円高になります。しばらく注視する必要がありそうです。

一方で、最近の相場が難しいのは、米中貿易摩擦などで不透明感が広がる一方で、国内では業績好調な企業が目立つことです。決算発表を受けて個別銘柄が買われています。固定概念にとらわれず、広い視点で銘柄を物色したいところです。

いずれにしても今週は国内の投資家が夏休みで商いが薄くなりそうです。トランプ米大統領の言動など外的要因により、相場が急に動くこともあるので注意が必要です。

テクニカル面では調整局面ながらしばらくは様子見か

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。7月下旬からまさに夏枯れ相場で、ローソク足の実体が上下200円程度の幅に収まるような小動きな状態です。

7月26日および8月1日の高値が22,700円付近でダブルトップになっていました。一方で下値は75日移動平均線にサポートされて徐々に切り上がり、三角保ち合いの形になっています。

これをどちらに抜けるか注目されたところでしたが、週末10日に三角保ち合いの下値サポートライン、75日移動平均線ともに大きく割り込みました。さらに200日移動平均線も突破しました。

今後の動きはどうなるでしょうか。ダブルトップのネックラインである7月31日の終値(22,553円)を割り込んだことから、短期的には下降トレンドラインとなっています。25日移動平均線が75日移動平均線に近づいておりデッドクロスが形成されつつあります。

下値めどは7月12日と13日の間の窓埋め22,233円や、7月5日から7月18日までの上昇幅の半値押しである22,205円あたりになるでしょう。

一方で、10日の大きな下げは、外的要因による一時的なものと考えることもできるかもしれません。今週からそれを取り戻す動きになる可能性もないわけではありません。その場合、上値めどは75日移動平均線の22,380円付近、さらには、直近の戻り高値である8月8日の22,800円あたりになります。

ただし今週は商いも薄くなることが予想されることから、ダブルトップの高値(22,700円付近)、さらに長い間上値抵抗線になっている23,000円を抜けるまでには至らないでしょう。

押し目買いが入ったとしてもしばらくはもみ合いが続くことが考えられます。本格的な出動はこのあたりの抜けを確認してからでも遅くはないでしょう。

下原 一晃

ニュースレター

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下原 一晃

マーケティング会社、リクルートなどを経て、PRプランナー・ライターとして独立。
株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する情報提供を行っている。あわせて、個人投資家がテクニカル理論を身に付けるためのヒントや知識の紹介にも取り組んでいる。
日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)。