貯蓄の世帯当たりの平均額を年齢別に知る

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「貯金いくら持っているの?」という簡単な質問でも知り合いに聞くのは難しいといのが実際ではないでしょうか。今回は厚生労働省(厚労省)の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」をもとに年齢別の世帯当たり平均貯蓄額についてみてみましょう。

世帯主の年齢(10歳階級)別にみた1世帯当たりの平均貯蓄額

まず、年齢別に1世帯当たりの平均貯蓄額を見ていきましょう。29歳以下及び70歳以上は、それ以外の10歳刻みとは異なりひとまとまりとなっています。

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  • 29歳以下:154.8万円
  • 30~39歳:403.6万円
  • 40~49歳:652.0万円
  • 50~59歳:1049.6万円
  • 60~69歳:1337.6万円
  • 70歳以上:1260.1万円

このようにしてい見ると、60代までは年齢とともに平均貯蓄額が増えていき、70歳以上になるとその平均額が減少していることが分かります。とはいえ、70歳以上で1200万円以上の貯蓄額があることに若い世代は驚くかもしれません。

世帯主の年齢(10歳階級)別にみた1世帯当たりの平均借入金額

ここまで貯蓄額を見ていきましたが、家計を考えれば、貯蓄の一方で負債、つまり銀行等からのローンといった借入金もあるケースもあります。ここでは先ほどと同様に年齢別の世帯当たりの平均の借入金額を見ていきましょう。

  • 29歳以下:263.4万円
  • 30~39歳:865.7万円
  • 40~49歳:862.1万円
  • 50~59歳:581.6万円
  • 60~69歳:251.9万円
  • 70歳以上:134.2万円

こうして借入金額を見ていくと、30代、40代の借入金額が大きくなっています。住宅ローンや場合によっては教育ローンなどもあるでしょう。いわゆる「子育て世代」の借入金額が大きのが気になります。「仕事を頑張っていると同時に借金も多い」という状況でしょうか。

貯蓄額から借入金額を引いてみるとどうなるか

ここでは、貯蓄額から借入金額を引いてみましょう。いわゆる「ネット」した貯蓄額を知るためです。貯蓄額が借入額よりも大きければ「ネット貯蓄(貯蓄超過)」、また貯蓄額が借入金額よりも少なければ「ネット借入(借入超過)」というわけです。

  • 29歳以下:▲108.6万円
  • 30~39歳:▲462.1万円
  • 40~49歳:▲210.1万円
  • 50~59歳:468万円
  • 60~69歳:1085.7万円
  • 70歳以上:1125.9万円

こうしてみると、なんと40代まで借入超過という状況が見えてきます。そして50代からは貯蓄額が借入金額を超えてくるよになります。もっとも借入金が住宅ローンである場合には、不動産の価値も評価してやる必要があります。また、教育ローンの場合であれば、お子さんが在学中であればその価値は算定しにくいでしょう。そもそも現在投じている教育費が将来親にどの程度戻ってくるのかは把握しにくいのではないでしょうか。

若い世代は借入金超過でその後貯蓄超過という構造は続くのか

今回の厚生省のデータでは、若い世代に借入金が貯蓄を上回り、年齢を重ねることで貯蓄が借入金を上回ることになっていますが、現在の若い世代が年齢を重ねた時に現在と同じ状況となっているでしょうか。働き方の在り方も様々な観点から議論され、副業も認められ始めてきています。ただし、主体とする仕事で年齢を重ねるごとに給与が上がっていかなければ、現在の50代以上と同じ姿は実現しないのではないでしょうか。給与と資産運用が現在の若い世代の貯蓄が増えるかどうかのカギを握っているといえます。

今回のデータは「平均値」ですので、データのばらつきなどは見えてきません。今後の厚労省によるデータ開示の内容が詳細になることに期待したいところです。ただ、平均値とはいえ、世代別の傾向は見えてきてはいると思いますので、そうした観点から皆さんのご参考になれば幸いです。

青山 諭志

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執筆者

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄といった個人の資産運用(パーソナルファイナンス)を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。Twitter:SatooshiX