シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は日本の大手医薬品メーカーであるエーザイです。
エーザイの平均年間給与はいくらか
エーザイ(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 1044.6万円と1000万円を超えています。また、従業員の平均年齢は44.7歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は20.2年となっています。
エーザイの従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で3172名。単体で3000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- 医薬品事業:3172名
また、連結の従業員数は1万456名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 医薬品事業:9912名
- その他事業:544名
過去5年間の業績動向
エーザイ連結の過去5年間の業績動向についてみてみましょう。
売上収益は、2018年3月期は6000億円を超えたものの、2014年3月期の売上収益も5994億円であることを見るとトップラインが伸び悩んだ5年間だったと言えます。
営業利益については、年によってばらつきがあるものの、2014年3月期に663億円であった水準が2018年3月期には772億円となっています。
また、当期利益ですが、こちらも営業利益と同様にばらつきはあるものの、2014年3月期に382億円であったのが、2018年3月期には544億円まで増加しています。もっとも、2016年3月期には550億円を計上しているので、過去5年で見れば、2016年3月期がもっともボトムラインが出た年度となります。
今後の注目点
エーザイでは2016年度(2017年3月期)にスタートさせた中期経営計画「EWAY 2025」の実現をめざしています。「EWAY 2025」では、以下の3つの実現を目指しています
- 「病気になりたくない、罹っていれば早く知りたい、そして治りたい」に応える
- 「住み慣れた場所、地域やコミュニティで自分の病気を管理し予後や老後を安心して過ごしたい」に応える
- 「hhc(ヒューマン・ヘルスケア)ニーズに基づく立地(機会)が見いだせ、それを満たすイノベーションが可能な事業分野」に集中する
また、同社はROEを重要な指標と捉え、資本コストを上回るROE水準を目指しています。また、DOEをバランスシートマネジメントや資本政策を反映する指標の一つとしてとらえています。株主を重視した経営をしている企業の一つといえるでしょう。
今後の中期経営計画「EWAY 2025」の進捗に注目です。
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部