株式市場の振り返り-日経平均株価は▲300円超の下落で3日続落
2018年8月10日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 22,298円(▲300円、▲1.3%) 3日続落
- TOPIX 1,720.1(▲20.0、▲1.2%) 3日続落
- 東証マザーズ総合指数 1,003.9(▲24.4、▲2.4%) 4日ぶり反落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:491、値下がり銘柄数:1,541、変わらず:72
- 値上がり業種数1、値下がり業種数:32
- 年初来高値更新銘柄数:34、年初来安値更新銘柄数:139
東証1部の出来高は15億792万株、売買代金は2兆6,162億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国NY市場の下落に加え、前日から始まった日米政府の閣僚級による通商協議への警戒心が高まり、模様眺めムードが強まりました。
出来高・売買代金とも増えましたが、ミニSQ精算に伴う嵩上げがあったことを勘案すると、実質的には低調な商いだったと見られます。
そのような中、日経平均株価は下値を模索する値動きとなりました。寄り付き直後こそ一時+10円高となりましたが、ミニSQ値の確定後は急速に下げ始めました。後場に入ると2度の急落もあり、大引け前には一時▲325円安となる場面が見られています。
結局、終値も▲300円安となる3日続落で引けました。下落幅、下落率ともに7月23日以来の水準となっています。
なお、TOPIXも同じような値動きとなって3日続落で引けました。ただ、下落率は日経平均株価より若干小さく終わっています。
東証マザーズ総合指数は4日ぶり反落、売買代金は21日連続で1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は5,700万株、売買代金は829億円となり、いずれも前日より増加しました。依然として個人投資家の物色意欲の戻りは鈍く、売買代金は21日連続で1,000億円を下回る低調な商いとなりましたが、出来高が久しぶりに6,000万株に迫るなど、回復の兆候も見られています。
ただ、一部主力銘柄が大幅下落になったこと等から、総合指数は大幅に下落して4日ぶりの反落となりました。取引時間中に1,000ポイント割れ寸前まで下落しましたが、最終的には大台割れを回避しています。
ソフトバンクGなど主力大型株が総じて大幅安、富士フイルムHDは高値更新
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)と東京エレクトロン(8035)が大幅安となり、ファナック(6954)、京セラ(6971)、TDK(6762)なども大きく値を下げました。
また、資生堂(4911)とアドバンテスト(6857)がいずれも一時▲5%安に迫る急落となり、大和ハウス工業(1925)は連日の年初来安値更新となっています。
その他では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)など銀行株が売られ、再び年初来安値に接近し始めたのが目を引きました。
なお、一連のシェアハウス過剰融資問題に揺れるスルガ銀行(8358)は▲8%超安の急落となり、7日続落で年初来安値を更新して引けています。
一方、前日に決算を発表した富士フイルムホールディングス(4901)が一時+5%高に迫る急騰となり、前日に急落したスズキ(7269)も急反発しました。
また、好業績を発表した昭和シェル石油(5002)が一時+14%高に迫る爆騰となり、経営統合相手の出光興産(5019)も一時急騰しています。その他では、NTTドコモ(9437)が取引時間中に連日の年初来高値更新となりましたが、終値では下落して引けました。
新興市場では、前日に決算を発表したメルカリ(4385)が、最終赤字幅拡大を嫌気されて▲11%安に迫る急落となり、約1カ月半ぶりの上場来安値に迫りました。
また、中村超硬(6166)が▲20%超安の暴落となって連日のストップ安で引けています。一方、エナリス(6079)は連日の急騰となったのが注目を集めました。
青山 諭志