4. 自分に合った資産形成の方法を探そう
本記事では、シニア世代の年金事情をみていきました。現在の生活費と照らし合わせてみて、年金収入だけでやりくりできると思った方はそう多くはないでしょう。
年金だけに頼らず、自助努力によってお金を準備していく必要がありそうです。
その手段は様々ですが、今回は冒頭で触れた、老後の介護費用準備についてお伝えしていきます。
まず介護費用がどのくらいかかるかですが、生命保険文化センターによると、一時的な費用の平均は74万円、月々の費用の平均は8万3000円とされています。
また介護の平均的な期間は5年1カ月なので、これらを計算すると、最低でも600万円は準備しておきたいところです。
この600万円を貯金で準備してもいいですが、老後まで20年以上あるという人は変額保険を使うという選択肢もあります。
変額保険とは、毎月決まった金額を積み立てていき、中身は投資信託で運用をしていきます。運用の途中で介護状態になってしまったら、500万円や1000万円などのまとまったお金を受け取ることができます。
つまり、老後まで元気で過ごすことが出来たら、積み立てと運用で溜まったお金は老後資金として使えますし、途中で介護になったら大きなお金を非課税で受け取れるので、一石二鳥というわけです。
ただし、中身は投資信託という変動があるもので運用をしていくので、最低でも10年以上は続けられる、無理のない金額で始める必要があります。
介護の他にも3大疾病の保障がついているなど、商品によって特徴があるため、気になった人はどんなものがあるのか、調べてみると良いでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 全国国民年金基金「国民年金基金制度とは?」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「老齢年金の繰下げ制度」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」
宗形 佑香里